作家の西村京太郎氏が亡くなった。私は中学生の頃、彼の小説にはまって、図書館に行っては借りて読んで、返して借りてまた読んで、を繰り返していた。文庫本もたくさん持っていたと思う。ただ、高校に入ってからはなぜか熱を失ってそれから読んでない。
西村京太郎と言えば十津川警部と亀井警部のコンビのトラベルミステリーのシリーズが有名だった。だいたいが時刻表のトリックで、容疑者は何月何日の何時に○○にいて、何日の何時には△△にいた。この時間では移動できないからアリバイが成立する、と思ったら時刻表をつぶさに調べたらからくりがあったり、時刻表に乗っていない列車に乗っていたりという感じで、それを追い詰めて行く。今ではPCで簡単に経路検索ができるようになったが、はて今どきのトラベルミステリーとはどんなもんだろう、と思いつつ読んだことはない。
トラベルミステリーが有名だったが、西村京太郎は社会派のミステリーもたくさん書いており、私はそっちの方が好きだった。沖縄を題材にしたミステリー(沖縄返還前に書かれた)、混血児の差別を題材にしたミステリーなど、そっちの方がヒューマン・ドラマとして深いし、中学生にとって深く考えたことのない、というか未知の社会問題に触れられて「勉強になりました」という感じだった。
最近のヒット作と昔のヒット作、久しぶりに読んでみようかな。