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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

昨日は22時に寝た。3回生のときに歌ったブラームスの「Nänie(ネーニエ)」が入っているアルバムを聴きながら寝た。1曲目が「運命の歌」、2曲目が「アルト・ラプソディ」と来て3曲目に「ネーニエ」である。「ネーニエ」に入ったのは覚えているが、それが終わったのは覚えてないし、4曲目の「運命の女神の歌」も覚えてないので、おそらく30分以内に眠れただろう。それにしても「ネーニエ」は名曲である。これは邦題では「哀歌」や「哀悼歌」「悲歌」と訳されていて、私の同期の学生指揮者が定演で振った。合唱団の仲間の結婚式ではみんなで合唱するのが定番だったのだが、そいつが結婚するときになんとこの曲を2次会でやりたいというので、久しぶりにそいつが指揮をしてみんなで歌った。「哀歌」なんて普通は結婚式でやるような曲ではないのに、そんなのおかまいなしにやってしまうほど美しい曲なのだ。あーそれはともかく、朝は8時起床。

今日は横浜市職員の面接なのだが、調子がいまいちで、家を出る直前まで横になっていた。体がしんどい。頭の中がもやっとしている。大丈夫かいな?面接が終わったらなんか旨いものが食いに行きたいと思って、横になるまでは面接会場方面でまだ行ったことのない回転寿司を調べていた。開場最寄りの停留所からバスで3つ。こっち方面はあまり行かないからついでに行ってみたい。しかし頭の中がもやっているだけでなく体もしんどい。もう棄権しようかと思った。ちょっとコンディション悪すぎる。

14時前、なんとか起きて着替えて、時間になるのを待ってタクシーを呼び、行き先を告げて走り出す。しばらくおとなしく走ってたのに、いきなり70過ぎと思われる運ちゃんが饒舌に話し出した。あ~ちょっと苦手。私はタクシーとか散髪屋とかで話しかけられるのがあまり好きではない。あまりおもしろくない話題だったりしても、適当に「そうっすね」とか話を合わせるのが鬱陶しいのだ。「ちょっと失礼」と言って席を外すわけにはいかない。適当に相手しておいたが、こんなところで神経使いたくないんだけどな、と思っていた。

目的地のドトールに飛び込んで、アイスカフェモカを頼む。ここでクールダウンしてからスマホのメモを見て頭を整理するつもりだったが、見てもあまり頭に入ってこない。もうそういうことはやめて、できるだけ頭をクリアにすることに専念することにした。とにかく疲れをなんとかしなければ。

アイスカフェモカ

集合場所の会場に行ったら、受験者が9人。最初に説明があって、最初に5人、次に4人が面接だという。5人同時?と思ったが、そんなことはなく全員別室で同時進行。面接室に入ると面接官は3人。1人ずつ質問してきたのだが、結果は・・・

大失敗。

30点。

あかん、こんなにめちゃくちゃな面接はいまだかつてない。頭の中がもやったままでが完全に飛んでいた。思考が停止して言葉が全然出てこない。全身ががちがちに緊張していた。頭の中が真っ白でもうしどろもどろだった。はあ、頭が腐っているとだめだなあ。

何を聞かれて、何を答えたっけなあ・・・。とにかく、いろいろ頭の中を整理したはずなのに、それが全然活かせなかった。

まず最初に、差し支えない範囲で病名を教えて下さいと言われたので、「双極性障害です」と答えたら、体調が悪いというときというのは、どういう症状として現れますか?と聞かれた。「身体的な症状としては、疲労感です。だんだんしんどくなってくる、というのもありますが、朝起きたらもう体がしんどい、ということもあります。あとは精神的な症状で、いわゆる抑うつ状態です。どうしても気力が出ない、やる気が出ない、ということがあります」とここは普通に答える。

そして、双極性障害ということは、その体調の悪さは波があって定期的に来るものなのですか?と聞かれたので、波というわけではなくランダムで、天候や季節に左右されることが多く、特に季節の変わり目や、今年は梅雨が長かったのでその時期はちょっとしんどかったです。そういう体調の悪さは自分でコントロールできないところがあります。自分としては、疲れているからもう今日は早く寝よう、など今日の疲れを明日に残さない、ということをこころがけて、できるだけ体調を安定させる努力をしているつもりですが、それでもどうしても調子を崩すことはあります、と話しておいた。さて、体調に関してこれをどう相手がとらえるか。この説明だと、「ときどき」しか調子を崩さないようにも聞こえるが、実際にはしょっちゅうである。「いやまあ、なんだかよくわからないですが、しょっちゅう寝込んでます」と言えばよかったのか。言うべきだったのか。言わないといけなかったのか。

採用選考申込書の「配慮してほしいこと」に「のどが渇きやすく、こまめに水分補給しないと疲れが溜まってしまう」と書いたところを突っ込まれた。「何分に1回くらい水分補給しますか?」と聞かれたので、「通常は10分に1回くらい、ペットボトルの水をごくっと、という感じです。ただ疲れてきたら5分に1回くらいになります。これは医学的にどうなのかわかりませんし、お医者様に言っても『なぜでしょうかねえ』と言われるのですが、自分の経験則なので、ここは体調を維持するためには認めていただきたいところです」と言っておいた。これがだめだと働けない。

あとは何を聞かれたかな。今まで何をやってきたかとか、自分の中で整理していたことはぜんぜん聞かれなかった。この辺から完全に頭が吹っ飛んでたな。私が就労継続支援B型事業所に通所しているということなので、「作業所でどういうことをやっていますか」と聞かれて「封入や封緘などの作業や・・・」などの話をしたら、面接官たちが「ほお」という顔になった。そして作業所に関することを徹底的に聞いてきた、という感じ。他にやっている印刷物関連の作業や、マスクなどの布製品の話もしたが、面接官が食いついてきた理由は明確だ。それは今回の募集の業務内容が「庁内メールの運搬、仕分け、コピー・ラベル作成・押印、封入封緘作業、郵便物の郵便局持ち込み、廃棄文書のシュレッダー、書類整理等の事務補助」だから、今自分がやっている作業とオーバーラップするのだ。

作業所でこれは自分が得意だ、自分に向いているという仕事はありますか、という質問には完全にトンチンカンだった。向いているというか、作業所の仕事は基本的にこつこつと地道な作業なので、やってみるとそういう地道なものは自分に向いていると思いました、というあまり中身のないことを言ってから、ただ、やっているうちに、これをこうした方がより正確に、とかより効率よく、とできるな、という工夫をするのがおもしろいので、そういう余地のある仕事はおもしろいですね、頭を使いたいです、というわかるようなわからないような回答に。「頭を使う」は自分の武器なので最初からそのキーワードが出てくればよかったのに、今日は頭を使えなかった。

そして「実際の業務はひとつの仕事をたくさんの人数でやる、ということが多いですが、それに関しては大丈夫ですか」と聞かれて、「今の作業所でもひとつの仕事をみんなでやっていますし、同じ作業でなくひとつの仕事をいくつかの工程に分割して、この作業が終わったらそれを次の作業に、それが終わったらそれを次の作業に、という流れでやったりして、全体を見ながらここが足りてない、と思ったらそっちに入ったり、ということをしているので、大勢の人で作業をするのは大丈夫です」と、なんだか聞かれてもないことまで適当に喋ってしまったり。プラスに評価されるといいのだが。

あとは「今の作業所の人間関係はどうですか」と聞かれたので、「人間関係はいいです。いい人に恵まれているというのもあると思います。どうしても人間関係というのはその場にいる人に左右されると思うのですが、今の作業所はいい人ばかりなので、それは運が良かったというのもあるかもしれませんが、人間関係でトラブるということもなく仕事をしています」と適当に答えておいた。本当は不満はたくさんある。

さらに「作業所で何か困ったときに相談できる人はいますか?」と聞かれたので、とりあえず「職員の方ですね。特に責任者の方が信頼のおける方で、作業所を「卒業した」という言い方をするのですが、就職して巣立っていった人が休みの日に遊びに来たり電話で近況報告したりと、その職員を慕ってきます。そういう人徳がある人なので、なんでも相談できますし、そういう人が上にいるので人間関係もうまくまわっているのだと思います」とこれまた適当に答えていった。8割は本当だが2割はちょっと違う。私はちょいと不満があるのだが内緒である。

ただ、体調に関して「今の体調はどうですか。ちゃんと作業所には通えてますか」という質問は絶対に来るだろうな、と思っていたのに来なかった。いや、上に書いたように「波がありますか?」という聞き方をされただけだ。この募集に応募したからには、今は体調は安定しているだろうという前提で質問をされた感じ。「今は週20時間働いていると仰っていましたが、長い間働いていなくて、いきなり週20時間はきつくなかったですか?」と聞かれたので「最初は週1日から始めて、様子を見ながら週2日、3日と増やしていってフルタイムにしました」とか、「来年の4月からいきなり週30時間と10時間増えることになりますが、それに関しては大丈夫ですか?」と聞かれたので、「作業所の職員と相談して、時間外に職員の仕事をボランティアとして手伝って、少しずつ負荷を増やしていくということをさせてもらうことにしています」と、本当のことを答えた。本当のことなのだが、何かをごまかしているような気がする。本当は休んでばかりなので、これからそんなことできるかわからないのだ。

で、結局の所、ほとんどが「作業所に関する質問」だったわけだ。これは上に書いたとおり今回の募集が「事務補助」であり、今の作業所の仕事内容とかなりかぶるから、ある意味「即戦力」ということだからだろう。SEの経歴なんぞどうでもいい。いや、SEの経験を活かしてこういうことができます、得意です、という答え方ができればよかったのだが、そこは完全に頭が飛んでいた。

あとはなんだったかなあ。ああ、最初に志望動機を聞かれたな。これは想定問答集どおりだ。「次のステップにちょうどよかったからです。長い間働けない時期が続きましたが、去年の4月からやっと就労継続支援B型事業所に通い始めて、来年の4月というとちょうど2年経つことになります。1年単位のスパンでいろいろなことを考えていますが、2年経ったところで、業務内容としては今と同じような事務補助で、時間的にもう少し負荷が高くなるというところで、次のステップとしてちょうどいいと思ったからです」という感じ。

え~とそれから、次へのステップを考えているということですが、他に就労を斡旋したりする機関などには登録していますか、と聞かれたか。「まだすぐに動くというつもりではなかったので、特に登録はしていません。来年の4月からと言っても、民間の企業などでは今回の公務員の職員のように1年近く前から募集するわけではないので」と言って、「しかし、数年前に横浜市の障害者就労支援センターに登録して何回か通ったことはあります。そこで何回かカウンセリングをしてお話をさせていただいたのですが、その時は、働くのはまだ少し早いんじゃないかな、というお話でした。それきりになってしまっています」と答えておいた。

面接の後は実技。明日も面接・実技をする人がいるから何をしたかは書けないが(面接で何を聞かれたかも書いてはいかんかったかも。まあ関係者が読むとは思わんが)、これもちょっと失敗した。いや、超単純な作業なのだが、ちょっと失敗したけどやり直せない失敗なので、はあこんなの毎日のようにやっているのに、と思ってやれやれ、という感じ。もうどうでもいいや。

面接と実技、合わせて30分。もうへろへろになって回転寿司なんか食いに行く元気もなく、タクシーで帰ってきた。お金がもったいないと思ったけど、スーツを着てバスを乗り継いで帰ってくる元気はなかった。ネクタイを取って上着を手にかけたとはいえ、アンダーシャツに長袖のワイシャツではまだまだ暑いのだ。

はあ、疲れたよ。なんかもうどうでもよくなった。と言うか、落ちてほしいという感じになった。もし合格したら、それから来年の4月まで相当なプレッシャーの中過ごさないといけなくなるような気がする。「体調を整えなきゃ、整えなきや、整わないよ、整わないよ、どうしよう、どうしよう、もう死のう」となりかねん。やっぱり次のステップへは、準備が整ってから進みたいのが本音である。


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