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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

起床の放送で起こされた。せっかくぐっすり眠っていたのに。とは言え、一晩中ぐっすり、というわけにはいかなかった。何回か目が覚めたのか覚めかけたのか、あ、一回時計を見た記憶がある。何時だったか覚えてない。それから布団を2枚重ねているのに、気がついたら1枚しかなくてもう1枚がずり落ちていたのも覚えている。寝相が悪いからなぁ。寝付くのにちょっと時間がかかった記憶がある。ちょっと頭かかっかしていたからか、寝ようとするときに私の悪い癖である空想癖が現れてしまった。強制的に起こされて、まだ眠くてもっと寝たいと思ったが、えいやっと起きることができた。

朝食後もまだ眠いというかだるいというか、あまり調子がよくない。少し喉も痛いし、まだ風邪は治りきってないようだ。今日は無理しないようにしよう。午前中は作業療法もお休みにして勉強しよう。しばし音楽を聴きながら横になる。同室の人もほとんど寝ている。

シーツ交換は水曜日だが、明日は午前中に運動会があるため、今日やることになった。という放送が急に入った。なんでこういうことをいつも「急に」言うのだろう。まあいいや。手っ取り早くシーツ交換を済ませる。一服してから勉強モードに入ろう。

午前問題集の残りをやる。昨日やった分の解説を読んで、その次は「情報セキュリティの運用管理と評価」に入る。7問しかないが、4問しか正解しなかった。情けない。まだまだ理解が浅いのと、問題文や選択肢をよく読んでひっかけ問題にひっかからないようにしなければ。

それにしても、廊下が騒がしくて集中できない。シーツ交換を自分でしない人のために病室に看護士とスタッフが入ってきてシーツ交換をしているが、しじゅう喋りまくってとてもうるさい。どこの病院に行っても、病室や廊下では静かにする、というのは常識だと思っていたが、この病院ではどうもそういう雰囲気ではない。医療スタッフ自らが大声で話しているのだ。どうなっているのだろうか。婦長に直談判してみようか。

と思ってホールに出ていったら、ちょうど婦長がいたので聞いてみた。「ここはいろんな患者さんがいて、周りが静かだとどんどん落ち込んでいくような患者さんもいるので、できるだけ声かけなどをしていく方針なんです」と説明してくれた。まあ、そういう方針で医療スタッフ側がやっているのならしかたがないだろう。ただ、さっきは部屋に私一人しかいなくて、明らかに本を読んでいる状態なのに、大声で看護士が話をしていた、ということを話すと「そういう場合はちゃんと状況を見て判断しないといけないですね。注意しておきます」と言ってくれた。ここの婦長はかなり話がわかる人だ。

午後Iの問題を2題やってみた。「監査」の問題はぼろぼろだった。何をどう答えていいやらわからない。解答と解説を読むと納得して、読めば「そんなことはわかっていたのに」と思うのだが、いざ出題されると、その通り答えられない。難しいものだ。

記述式問題の続きをやってみる。う~ん、ぜんぜんまともな答えが書けない。しかし、試験制度の概要によると「情報セキュリティアドミニストレータ」は「システム利用者」の位置づけの試験なのに、こんなに高度な問題が出るものなのだろうか?

シャワーを浴びてスキンケアの後、午後I問題の第一部「情報セキュリティシステムの企画・設計・構築に関すること」の最後の問題をやった。まあまあできたが、「40字以内で述べよ」というところで、必要な要素を簡潔にまとめて書くことができない。部分点になるかな、という感じだ。こういう訓練はあまり最近あまりやってないなあ。

16:00を過ぎてリラックス体操をやっているときに、薬剤師が来たというのでホールに出ていった。この間、たまたま主治医が来ているときに薬の説明を薬剤師にお願いしたい、と申し出ておいたのだ。自分が飲んでいる薬の作用、副作用の一覧表をくれて、丁寧に一つずつ解説してくれた。これだけ丁寧に説明してくれるとは思わなかったが、最初のトレドミンの説明が、どう聞いてもSSRIの説明だったので「これってSNRIですよね」と確かめたら「あ、そうでした。その通りです」と頭をかいていた。いや、実際にはかいてないが。その他の薬についてはソラナックスとサイレースくらいしか知らなかったので、いろいろ教えてもらえてよかった。本で調べたらわかることだが、やはり実際に説明してもらった方がわかりやすいし、質問にも答えてくれる。ちょっとびっくりしたのは、寝る前の薬にメジャートランキライザーが入っていたことだ。メジャーは私は飲んでないと思っていたので意外だった。「メジャートランキライザーの中でもマイルドな方ですから」そう教えてくれた。

前から気になっていたことについて質問した。一つ目は、普通「食後」と指定されている薬なのに、ここの病棟では食前に服用しているが問題ないか、ということで、その回答は、これらの薬は胃を荒らすようなものではなく、通常「食後」と指定されているのは単に飲み忘れを防ぐため、ということらしい。本当に胃を荒らすような薬は「食直後」と指定したり、胃薬と一緒に処方したりするらしい。

もう一つの質問は「依存性」についてどうか、ということだが、これらの薬は比較的新しくて、依存性も全くないわけではないが非常に少なく、依存症にならない程度の量を守って処方しているので問題はない、ということだった。何か発作的なものを抑えるために、そのときに薬を飲んだりするようなタイプの薬では「精神的依存性」ができあがることがあるが、医師の指示で定時に飲むような場合は依存症にはならない、ということも補足して説明してくれた。なかなか親切な薬剤師だ。今日は作用の説明だけだが、来週また副作用の説明をしに来てくれるらしい。

夕食の直前に、明日の運動会の説明をするのでホールに集まってください、という放送が入ったので出ていく。どうも班分けがあるらしいが、「班」というのにどういう意味があるのかよくわからなかった。各種目に出るメンバーは決まっていて、それとは別に班があるらしい。後から看護婦に聞いたら、ぶっちゃけた話「どの看護婦がどの患者を見張っているか決めておくため」という程度のものらしい。うちの病棟は白組だった。白組は他に2つの病棟がチームとして入っていて、赤組は2つの病棟とデイケア組のようだ。私は「タイヤ転がし」と「バドミントンレース」に出る予定になっている。他に全員参加の「ウルトラクイズ」や「パン食い競争」や「フォークダンス」がある。

メールチェックすると、学生時代の合唱団の同期の女の子から同期ML宛にメールが来ている。来年のGW頃に結婚するらしい。「おめでとう」メールを出す。ついでに自分の近況も報告するが、ついでの方が長くなってしまった。

Mちゃんが明後日退院するそうだ。もうちょっとしかいないので卓球したい、と言うので卓球を始める。私は風邪がの症状がようやく治まってきたところなので無理をしないで見ておこうと思ったが、やはり見てるだけじゃ物足りなく、参加してしまった。先々週に私の隣のベッドに入ったSさんがはじめて卓球に参加したが、けっこううまい。基本ができている。ちゃんとスマッシュもつっつきもやっている。聞けば中学時代にやっていたそうだ。S君に続いてまた卓球経験者出現だ。対戦してみたが、けっこうおもしろかった。久しぶりというので勘が戻ってないと言うが、これで勘が戻ってきたら相当手強いだろう。2戦して1勝1敗だった。まぁ、私はあまり動かないように軽くやっていたけれども。さてと、風邪がぶり返さないように気をつけなくては。

20:00から問題集の続きをやった。第2部「情報セキュリティシステムの運用・管理に関すること」の1問だけをやったが、またしてもシステムアナリストの過去問だ。それにしても、こんな難しい問題が出るのか?はじめての試験なので、問題集を作る側としてもセキュリティに関する過去問を別の試験から引っ張って来るしかないのだろうが、「情報システム利用側」の立場の試験で、システムアナリストレベルの問題が出たらたまらんなぁ。

1問やって解説読んでこの日記を書いてたらもう20:40近い。今日はこの辺にしておいて、後は眠剤を飲んで寝ることにしよう。

朝、起きれなかった。

強迫観念にかられた夢を見ていた。起床の合図、ラジオ体操、朝の服薬、朝食の合図、すべての音は聞こえていた。でも体は動かない。いつものような、ダイレクトに「目を覚ます」夢ではなく、なにか別の形で自分の覚醒を妨害するような強迫性の夢を見ていた。内容までは覚えてないが、そういう夢だったことだけは覚えている。

朝食に来ないので看護婦が呼びに来てようやく起きることができた。朝食を食べてから薬をもらう。喉がかなり痛い。洗面をしてからイソジンでうがいをする。鼻水も出てきた。やはり風邪だろうか。

まだ一つ残っているはずの風邪薬を看護婦に出してもらって飲む。やはり昨日薬を出してもらっておけばよかった。昨日の夜にいた看護婦さんだったので事情はすぐにわかってくれて、「昼に連絡しておきます」と言ってくれた。どうやら当直の医師を待たずに昼から薬を出してもらえそうだ。今日は無理をせずにゆっくり体を休めよう。

10:00過ぎまで横になって休んで、ちょっと一服しようとホールへ出てきたら、テレビでNコンの中継をやっている。中学生の部だ。中学生だけあって声が若々しいが、しかし発声がきっちりしてとてもいい声をしているのに驚かされる。よく訓練されている、という感じだ。男性は特に変声期なので、コントロールが難しいものなのだが、ベースもテナーも時々光るものを持っている生徒がいる。課題曲は寺島陸也の曲だ。最近はやっている作曲家だな。自由曲は、鈴木憲夫だったり高嶋みどりだったりタダタケだったり、なかなか懐かしい。鈴木輝明の曲を持ってきている学校もいる。三善晃の弟子であるこの作曲家も最近はよく取り上げられる。それにしても、最近は普通の合唱とは縁遠くなっていたので、知らない曲ばっかりだ。新しい曲は次から次へと生まれているのだろう。

昼の服薬では風邪薬は出ていなかった。どうも熱っぽいので体温を計らせてもらおうとナース室へ行くと、ちょうど風邪薬が来たところだったのでもらって飲んだ。熱を計ると36.1℃。「自分では熱っぽいんですけどねえ」そう言うと、看護婦は「身熱があるんでしょうね」と答える。「身熱ってなんですか?」「体の中に持ってる熱ですよ。熱っぽく感じるのに、計っても体温が低いのは、熱が中にこもってるんでしょう」ふ~ん、そういうものなのか。体を休めるために再びベッドに横になる。

14:00過ぎまで寝ていた。風邪薬の作用だろうか、眠気が来て眠っていたようだ。ホールに出ていくと、もうすぐ風呂の順番だ。準備をして待つ。テレビを見ると、アメリカがついに攻撃を始めたようで、その報道をしている。戦争が始まってしまった。このまま第三次世界大戦に突入しないことを祈るばかりだ。なんとか世界レベルで穏便に済ますことはできないのだろうか。

外は雨が降っている。気温は低い。入浴して、湯冷めしないようにTシャツの上にサマーセーターとフルジップのパーカートレーナーを着込む。

下半身を布団に潜りながらベッドの背にもたれて問題集の続きをやった。第2部の「セキュリティポリシの策定」は15問中12問正解。正答率は8割だ。まあまあかな。

連絡会の後、看護婦が「熱を計りましょう」と言うので計ると36.6℃。まあこんなもんか。血圧は正常だった。心拍数も100を切っている。心拍数が高いのは朝だけなのか?

夜、問題集の続きをやる。午前試験の一番の山場「セキュリティシステムの設計と実装」の章で、50問中39問正解。正答率は78%か。まあ、これだけとれたら十分だろうが、まんまと引っかかった問題や、電子透かしなど全然理解していない問題、VPNの定義とPVCを間違えたり、まだまだ自分の中で知識を整理する余地はある。

それはそうと、私が勉強していて、隣のベッドではSさんが本を読んでいるというのに、仏教のある宗派の信者である同室のRさんに向かってS君が「なんまいだ~なんまいだ~」とからかっている。この男は本当に幼稚っぽいと言うか、幼稚そのものだ。本を読んでいる人がいるのに騒がしくして他の人の迷惑になるとか、そういうことでからかわれると不愉快だろうとか、そういうことは思わないのだろうか。

メールチェックすると先日退院したKさんからメールが来ている。近況報告をしているので、返事を出した。もう20:25だ。今から着替えて就寝準備をして終わりにしよう。

よく寝た。途中目が覚めた記憶もない。ただ、夢を見たのは覚えている。明け方近くだったかもしれない。目が覚めると洗面所で音がしていたので、ああもう5時半を過ぎたのだなと思った。そのままうつらうつらしていると、6時の起床の放送が入った。まだ寝ていたかったけど「全身の細胞よ活性化しろ!」と念じて起きあがった。

昨日買ってきたPHPスペシャル10月号「人を癒やす言葉、傷つける言葉」を少し読んでみるが、どうも女性向きの雑誌のようだ。男性と女性で根本的な違いはないとは思うが、女性を読み手として意識して書かれてあり、内容も私から見るとあまり深くはなく、タレントの体験談や、ハウツー的なところがあって、少し浅いものを感じる。まあ、最初から否定的にとらえずに、とりあえずぱらぱらと読んでみるか。「あなたが人を傷つけている可能性の度合いチェック」というのをやったら、評価はBで「けっこう心配」知らぬ間に人を傷つけていることが多いとか。全部でたった7問、それぞれ2択の質問だけでこんなことを判断されるのは納得がいかない。

朝食後、昨日買ってきたコーヒーを飲みながら一服する。昨日買ってきた「毎日ライフ」と「暮らしの健康」を持ってきてみんなに見せた。「毎日ライフ」は特集が「薬で治す『心の病気』」で、主に精神分裂病とうつ病についての今までの薬と最新の薬について詳しく解説してある。分裂病のSさんに貸してあげると熱心に読んでいて、自分も買おうと言っていた。

8:00前からいつもの散歩。オカリナでいつも通り5曲を通した後、今日は「コンドルは飛んでいく」の出だしの部分を練習する。オカリナは10本の指で12個の穴を塞いで音程をコントロールする。指で普通に押さえるのが10個、そして後2つは右手の人差し指と中指の穴のそばに小さな穴があって、これらを一つの指で同時に塞ぐのだが、これは一番低い音域を使うときに使用する。これを押さえるのが非常に難しいのだ。「コンドルは飛んでいく」の音域は、オカリナで出せる最低音から最高音まですべてを使う。その出だしは最低音、つまり12個の穴をすべて塞いだ状態から始まる。まあ、最初はいいのだが、戻ってきて同じフレーズを繰り返すときにとっさに指をその位置に決めるのが難しい。最初はなかなかできなかったのだが、オカリナの角度を瞬間的に変えて指の置き方を工夫することでできるようになった。だが、毎回ばっちり決まるわけではない。この瞬時の切り替えはまだまだ練習が必要そうだ。吹きながら音階が上昇するにつれて角度も修正していかなければならない。簡単そうで奥が深いぞ、オカリナは。

散歩に行く前、階段から玄関に降りようとしたら、S君が野良猫をそこまで入れていた。病棟内に野良猫を入れるなんて、なんて非常識なんだろう。「だめじゃないか」私が思わずそう言っても、でへへへと笑っているだけだ。この男には「反省」という概念はないのか。

9:00前から勉強を始める。同室の人はみんな寝ていて静かだ。いびきをかいている人もいるが、耳栓をすれば気にならない。けっこう集中できた。「電子署名認証法」について読み終え、続いて途中飛ばした技術的な解説の部分について読む。日経BP社の雑誌の記事でさんざん勉強したことだ。復習になった。

10:00過ぎに休憩をとって一服し、Mちゃんへのメールの返信を出し、日記を、つまり今のこの文章を書いている。この後は技術的な解説の残りを読むと、ちょうどお昼くらいになるだろう。そうすると参考書は一通り読み終えたことになるので、次は問題集に入ろう。

11:00過ぎに参考書を読み終え、続いて問題集の最初の方に書いてある「試験の実施要綱」を読む。自分の読んでいた参考書には書いてなかったが、こちらには詳しく書いてある。そう言えば、この参考書に準拠した問題集が前はあったのだが、昨日行ったときには売っていなかったので、別の問題集を買ってきた。こちらの方が試験自体の説明も詳しく書いてあり、学習のポイントがわかりやすく書いてある。そうだ、問題集を解いていくにはノートが必要だが、しまったノートを持ってない。売店は今日は休みだし、明日も祝日なので休みだ。う~ん、ペーパーレスを徹底するとこういうとき困るなあ。幸いなことに、S君がほとんど使ってないノートを持っていて、それを譲り受けることができた。お金払うよ、と言っても「いいですよ」と言うので別の形でお礼しよう。結局お茶漬け海苔を2袋あげた。

問題集をやり始める。途中でカラオケが始まったので中断して一曲歌ったが、なんだか喉が痛かったので、その一曲でやめてまた問題集に取り組む。今までは午前試験では6割だか7割だかが足切りラインだったので、このまま勉強を進めていけば大丈夫だと思うが、その足切りラインというやり方も今年度から変わっているかもしれない。

なんだか熱っぽさを感じ、冷や汗もかいているので看護婦にお願いして体温を計らせてもらったが、36.4℃と平熱。前々回に出してもらった風邪薬がまだ残っているというので、それをもらって飲み、前回出してもらったうがい薬でうがいをする。風邪ばっかひくのはやだなぁ。

なんと、テレビで卓球をやっている。と思ったら、Yさんが昨日たまたま撮ったビデオに入っていて、それを見ていた。ミズノが提供している「ファイトマネー」という番組で、素人がプロに挑戦するという内容だった。解説を聞いていると、ときどき的が外れていておもしろい。ドライブとスマッシュの区別がついてないが、それはいたしかたないだろう。「つっつき」のことを「カッティング」と言っていたが、その言い方の方がかっこいいし一般受けするだろうから、日本の卓球界もその呼び方に変えればいいのではないか、と思った。せっかくメジャー化でいろいろ苦心しているのだから。「カッティング」というのはどこから出てきた言葉か知らないが、ひょっとしたら英語では本当にそう言うのかもしれない。

やっぱり風邪か。夕食後からなんだかしんどくなって、当直の医師が来たら風邪薬を処方してもらうように看護婦にお願いし、その後ずっと寝ている。アイマスクをして、トライトーンの「One Fine Sunday」を聴きながら。昨日外出した疲れが出てきたのか、抵抗力、免疫力が弱っているのか。外出した後は、その日や次の日に何らかの形で悪影響が出てきているような気がする。まだまだってことなのか。もう20:00前だ。当直の医師は来たのだろうか。

一度起きてコーヒーをいれて飲む。20:00になって就寝前の服薬の時間になった。いつもは21:00にもらってるが、今日はしんどいので早く寝たいからください、と言うと、当直の医師がまだ来てないのでまだ準備してないとのこと。風邪薬と一緒に準備するそうだ。

と思ったら看護士から「熱を計りましょう」とお呼びがかかるので、計りに行ったら、35.8℃。なんでこんなに低いんだ?血圧も計って、と言うので計ると、上が97、下が73。えらく低いじゃないか。心拍数も88だ。これまた低いじゃないか。いや、普通か。この血圧計、いつもは紙なんか出てこないのに今日は出てきた。気まぐれか?んなわけないか。ご丁寧に「拍動の変化」とグラフまで出ている。「ノイズ(測定誤差値)」と書かれた棒グラフまで出ていて、「少ない」と「普通」の間だ。その直後に当直の医師が来たので、症状を言う。風邪薬は結局もらわなかった。あまり薬に頼りたくない。熱もなく、まだ喉の痛みと体のだるさだけなので、うがい薬を出してもらう。前回のがまだ残っているが、出してもらっておいて損はないだろう。今度から外出して帰ってきたらうがい薬でうがいすることにしよう。そして眠剤を出してくれたので、それを飲んで就寝準備をした。今日はこれを書き終えたらもう寝ることにしよう。

5:15頃起きた。途中何回か目が覚めたが、時計を見たのは2:30のとき。かなりストーリー性のある夢を見た記憶がある、内容は覚えてないが、途中目覚めたときに、ああ夢を見てたんだ、そう思った。寝付きはとてもよかったと思う。オカリナのCDを聞きながら寝たのだが、1曲目を最後まで聞いた記憶がない。エアロバイク30分2セットと、夜の卓球で肉体的にけっこう疲れていたせいだろうか。

ホールに出ていくと、喫煙所には結構たくさんの人が起きてきている。外泊が多くて全体の人は少ないが、早起き組は結構残っているようだ。濃い目のコーヒーをいれてブラックで飲む。少しずつ頭が冴えてくる。5:45頃に洗面を済ます。

朝食までに「あくせくするな、ゆっくり生きよう!」の「仕事をスマートにする」の章を読み終えた。仕事をするときの対人関係から会議のやり方、時間管理に至るまで、さまざまな「流動的思考」の用い方が書いてあっておもしろかった。今まで読んだ本と基本的な考え方は似ていたり、「タイムマネジメント」の研修で教わったこととも共通することがある。特に、「人間は同時にいろんなことを考えることができるが、一度にできることは一つだけ。一つのことをやりながら、次やその次にやることについてあれこれ考えるから能率が落ちる。『今』に集中して、一つのときに一つのことをこなしていけば、効率は上がる」という記述には「そうか、なるほど!」とうなずいてしまった。私もご多分に漏れず、何かやりながら別のことをあれこれ考えてしまう、つまり「気が散る」タイプなのだ。大事なのは「集中力」ということか。

朝食前に洗濯機に放り込んでおいた洗濯物を、7:30ちょうどに干しに行く。洗濯物を干すときも、やたらバランスに気を配ってしまう。角ハンガーが傾かないように…。

8:00頃から散歩に行く。いつもの通り音楽堂でオカリナを吹く。今日は調子がいまいちだ。呼吸がぶれる。いつものごとく一通りコンサートの曲を流した後、「竹田の子守歌」の即興から戻る部分、先日パターンを決めた箇所を練習しながら、少しパターンに変化を加えてみた。また新しいテクを開発した。吹きながら巻き舌をすると、ビブラートともトレモロともつかないおもしろい音になる。それを加えてみた。

バスに乗ると、外泊に出るIさんが乗っていた。病院前の停留所から乗ってきたらしい。その次の停留所の方が病棟からは歩くと近いということを知らなかったらしい。私とYさんが乗り込んできたので、あれっという顔をしていた。バスの中でIさんといろいろ話をした。いろいろ話をしたのははじめてかもしれない。前に一度散歩に誘って、私の家のすぐ近くに住んでいる、ということは知っていたが、それ以降はほとんど話をしたことはなかった。タバコも吸わないし、あまりホールに出てこない。部屋にこもっていることが多い。病室では同室の人と割と話はしているようだ。いつも沈んだ暗い表情をしているけど、話していると笑顔が出てきた。彼女は、他の患者同様やはり睡眠障害と、それから妄想があるらしい。それもだいぶ落ち着いて来たそうで、あと1ヶ月くらいで退院を考えていると言う。

電車に乗り、ボックスシートに座れた。隣に座った若い女性がデイパックともう一つ大きな荷物を抱えていて大変そうだなと思った瞬間、自然に言葉が出た。「荷物、上に乗せましょうか」以前なら、たとえそういう言葉をかけるとしても、ちょっとためらいがあったのに、自分の中で本当に自然にその言葉が出てきた。言ってから自分自身がちょっと驚いたくらいだ。その女性は、「いや、いいです」と言って荷物を抱えていて、7分くらいして停車した駅で降りていった。

今日は「流動的思考」とやらを試してみようと思っている。ストレスは自分の考えが作り出したもの。人混みも騒音も、気にしないで受け流してしまえばストレスにならないはずだ。今読んでいる本の考え方では、の話だが。さて、どうだろう。

目的の駅について、まずは本屋へ向かう。買おうと思ってリストアップしておいた本を探して買うが、一冊は売り切れていた。それはそうと、またしても予定外の本を一冊買ってしまった。「積ん読」がますます進んでしまう。

その次は映画館に行った。前から見たかった「千と千尋の神隠し」を観るためだ。それまで、流動的思考をちょくちょく意識して、人混みの中でも頭を空っぽにして受け流すようにしていたが、それでも少し疲れたような気がした。まあ、すぐにできるものでもないだろうから、もうちょっと続けよう。疲れは気にしないことにする。

「千と千尋の神隠し」を見終えた。うむ、宮崎駿はすばらしい。私は日本の映画はあまり見ない(というか映画そのものをあまり見ない)が、宮崎駿の映画は好きだ。中学生の時に「風と谷のナウシカ」を見てものすごく感動して、2日くらいその感動が続いていた記憶がある。今回の映画もすばらしい。まず「八百万の神」を「客」と迎える湯屋という発想に度肝を抜く。なんというイマジネーションだろう。「神」と言っても日本古来の「神」はひどく人間くさい。なんせ「八百万」もいるわけだし、それは「人間」の象徴的なものだととらえていいのだろう。宗教的な「神」とは少し概念が違うような気がする。それはともかく、単純にストーリーもおもしろいが、それだけでなく深く考えると、いろいろ象徴的な考え方や教訓が含まれているような気がする。最後にハクが千に言った言葉、「後ろを振り向くんじゃないよ。振り向かないで歩いてお行き」が忘れられない。

映画の後は回転寿司でおなかを満たし、ちょっと足を延ばしてスポーツジムへ。別にトレーニングしに行くわけではない。しばらく入院するので9月、10月と休会扱いにしていたのだが、まだまだ入院生活は続きそうなので、11月からさらに3ヶ月休会を延ばす手続きをしに行ったのだ。

電車に乗り、病院の最寄り駅に戻ってくる。そのまま100円ショップにより、小さめの折り畳み式手鏡を買った。手鏡は今まで持ってなかったのだが、やはり必要だ。鏡がなくては自分の表情をチェックできない。薬を塗るときも不便だ。風呂に入った後、ブラシで髪をとくときも洗面所まで行かなくてはならない。これでまたアメニティレベルがアップしたぞ。

病棟に戻り、一息ついてから洗濯物を取り込む。なんだかまだ少し湿っぽいので、乾燥機に放り込んで30分だけ回す。16:00になって夕薬を飲んでから、リラックス体操。外出して疲れて帰ってきたときにやると、やっていていつもより効果があるのを感じる。十分にやった後に、これまた十分に自律訓練法をやると、かなりリラックスできた。ほとんど疲れが取れたような気がする。もともとそんなに疲れていなかったのか。だいぶ慣れてきたのか、「流動性思考法」が功を奏したのか。その後、乾燥機から洗濯物を取り出してたたんで収納すると、もう夕食の時間になった。

今日は外泊が多く、とても人が少ない。3連休でみんなうちに帰ってるのだろう。日曜、月曜となんの予定もないし、外出届けも出してない。ゆっくり勉強しようかな。

夜はだらだら買ってきた本を拾い読みしたりして、その後「あくせくするな、ゆっくり生きよう!」の最終章「あくせくするな、ゆっくり生きよう」を読み進める。タイトル通りの章なので総括的な内容かと思えば、まあそういうような記述もあれば、「ストレス」や「仕事」以外に独立して取り上げなかったトピック、たとえば「余暇の過ごし方」などについての「流動的思考法」の活かし方を書いていたりする。19:30になったらS君と卓球をする約束だったので、そこで中断する。

SさんとI看護士と卓球をする。どうもIさんはサーブにしろレシーブにしろ、ちょっと変わった回転をかけてきてやりづらい。2ゲームしたが、2回とも負けてしまった。前は勝ったのだが。

S君とI看護士が試合をしている間に喫煙所でFさんと話をした。私が「おもしろいTシャツを着てますね」と言ったら「歳に似合わないですよね」と答えたので「そんなことないですよ」と言った。ちょっと間があってから、Fさんは「今『そんなことないですよ』って言われたのに『ありがとう』と私言いませんでしたよね。いけないですよね」と言った。私はそんなこと全く気にしていなかったので、そういう旨を話し、「そういうことをいちいち気にして悩まない方がいいですよ」などと話した。「でも、何にも気にしなくなったらバカじゃないですか」Fさんは言う。確かにその通りかもしれない。私は続ける。「うん、そうかもしれないけど、気にする必要のない小さなことまで気にすると、ダメだと思うんですよ。その区別って、だんだんついてくるんじゃないかなぁ」とか「気にする必要のあることでも、くよくよ悩まずに『あ、またやっちゃった。これからは気をつけよ』とか自分を笑い飛ばすくらいの方がいいですよ」とか、えせカウンセラーのようだ。しばらく二人で話す。私から見ると彼女はちょっと繊細なだけで、それ以外はとても普通に見える。本人の自覚の問題なんだろう。

20:00になって卓球はおしまい。便通の回数だけ記録して、就寝準備に入るが、私は汗を拭いた後、体温が下がるまで汗が出続けるので、上半身裸の状態で、今これを書いている。もう少し汗がひけばシャツとスウェットを着て歯磨きしよう。風邪をひかないように気をつけなくては。残りの時間で「あくせくするな、ゆっくり行きよう!」を読み終えられそうだ。

5:30過ぎに起きた。目はちょっと前から覚めていて、うとうとしていた。まるっきり夜中に目を覚まさない、ということはまだない。何回か目を覚ました記憶はある。1回時計を見て2:00だな、と思った記憶はある。以前のように目が覚めた後眠れなくなったり、なかなか寝付けなかったり、ということはない。夢を見た記憶もない。見たのかもしれないが、忘れている。眠りが深くなっていってるということか。今は頭は完全にはすっきりしてないが、昨日ほどぼ~っとしているわけでもない。

洗面を済ませ、コーヒーをいれて飲みながら、喫煙所で雑談する。そのうち6:30になってラジオ体操をし、朝の服薬。かなり頭がすっきりしてきた。外を見ると雨が降り始めている。昨日の天気予報では、昨日、今日と雨と出ていたが、昨日は降らなかった。今日は天気がずっと悪そうだ。散歩には行けそうにないな。どこでオカリナを吹こうかな。

早めにストレッチを済ませ、9:00ちょうどに作業棟へ行く。職員に「オカリナ吹いていいですか?」と聞くと、「一番奥の部屋ならいい」と言うので、その部屋へ行ってコンサートで演奏する曲を通す。ついでに「Sound of Silence」も吹いた。昨日誰かがホールでCDをかけていて、吹きたくなったのだ。

体力トレーニングの部屋へ行って基礎データ測定。相変わらず心拍数は高いが、もう気にしないことにする。体重は減っている。それは確実のようだ。体脂肪率も日によってばらつきがあるが、全体として減少傾向にあることは間違いない。

病棟へ戻ってきたら、看護実習生とS君達が卓球をやっていたので、元卓球部の私とS君で少しデモンストレーションをした。実習生たちはびっくりしていた。喜んでくれたかは定かではないが。その後Mちゃんと少し打ち合ったが、汗をかいてシャツを取り替えたばかりなので、また汗はかきたくないと思って途中で降りた。

昼食、入浴を挟んで「情報セキュリティアドミニストレータ」の参考書を読み進める。「情報セキュリティ国際標準」の章を読み、その次の「関連法規とガイドライン」を今読んでいる。情報処理試験の勉強で関連法規についてまじめに勉強したのははじめてだ。セキュリティに関しては、急ピッチで法整備が進められているので、この辺りも重要で、おさえておくべきだろう。

参考書をあと数ページで読み終える、というところで16:00になった。最後のトピックである「電子署名法」について読んでいるところだった。今年の4月に施行されたばかりの法律だが、出題されることは間違いないだろう。この辺もよく理解しておかなくては。明日は外出するが、この参考書に準拠した問題集が売ってるのを本屋で見かけたので買って来よう。

16:00からはリラックス体操。正座を崩した状態から後ろに反って頭をつけるポーズはだいぶ慣れてきて、30秒間はもつようになった。他のポーズは2回ずつやっているが、このポーズはきついので1回にしている。今度から無理をしない程度に2回目に挑戦してみよう。体操の後は、夕食まで音楽を聴いて引き続きリラックスする。

夕食後、先日入院したFさんと話をする。Fさんは「自分がちょっと変」だと思われてるとこの間話した人で、どうも被害妄想的なところがある。「いつも無視されていたんです」「昔から友達がいないんです」確かに一見、通常の人と変わった感じを受けるが、私はそういう人を見慣れているだけで、偏見を持った人は心ない言葉を彼女にかけてきたかもしれない。カウンセラーではないが、できる限りのアドバイスをする。「小さなことにくよくよしてたら、自分で自分を苦しめちゃいますよ」「何か嫌なことがあっても、ぽんと外に放り出して、いいことを見つけましょうよ」「いっぺんには無理だけど、少しずつならできますよ」最近自分が読んだ本に書いていたことの受け売りばかりだ。自分自身、なかなかうまくできないものなのだが。

連絡会まで「あくせくするな、ゆっくり生きよう!」を読むが、あまり読み進められなかった。どうも集中できない。昼に集中しすぎたので、もう神経が疲れてるのか、夕食を食べた後なので脳が働いてないのか、まあ「あくせくするな、ゆっくり読もう」ということにして休み休み読む。「流動的思考法」を仕事に活かす方法がずっと書いてある。

連絡会の後、卓球が始まったので参加する。今日はけっこう長い間やって、最後は狭いながらもダブルスをやった。このスペースでやるのはちと無理があるな。体育館で思いっきりやりたい。ちょうどやり終えたら20:00になった。まだ体がほてってる。少し体が冷めるのを待って、就寝準備をしてから読書しよう。