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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

昨日は結局寝たのが23時半くらいだったかな。寝つきもよく、比較的ぐっすり眠れたような気がするが、3時半ころ目が覚める。睡眠を持続するのは難しい。しっかり寝ておきたかったので追加眠剤を飲む。そして起きたのが5時半過ぎ。追加眠剤を飲んでもこんなものだ。ま、しかしけっこう熟睡感があったからいいだろう。

朝、メールを読み書きしたり、昨日のうちに洗濯して乾燥機の放り込んでいた洗濯物をたたんだりする。そのうちに6時半になったので、病院の日課と同じようにラジオをつけてラジオ体操をする。朝一番には少しきつい運動だが、体を目覚めさせるにはちょうどいい。

8時過ぎまで昨日買った本をぱらパらと読む。最初の方は体験談ばかりで「早起き健康法のおかげでこんなに元気になりました」という人たちの手記が続く。どうもこういうのを見るとうさんくささを感じてしまう。

8時半ころ彼女がやってきた。今日は13時からバイトらしく、それまで一緒にいることにしたのだ。とは言え、二人とも眠くて、昼まで一緒に寝てしまう。昨日は追加眠剤も飲んだが、やはり眠りは浅かったようだ。昼になって一緒にパンを買ってきて食べる。その後横になると、またうとうとしてくる。やばい、このままだと寝てしまって病院に戻れなくなるかもしれない。彼女がバイトに行く13時前に、もう一緒に家を出ることにしよう。

早めに家を出て病院へ帰る。なんだか疲れが出てきている。やはり病院では感じない疲れだ。これは外に出ないと感じない疲れ、そして外に出ないと慣れることができない疲れだ。外泊訓練は重要だ。

病棟へ戻るとちょうど男性のシャワーの時間だったので、順番を待って汗を流す。私は新陳代謝がよくて汗をすぐかく。特にこの季節は暑いし、最近はスポーツもよくやるので、シャツがすぐびしょびしょになる。この際だから家から登山用のTシャツをたくさん持ってきた。登山用のシャツは綿でなく、乾きが早い特殊素材でできている。洗濯して脱水しただけでほとんど乾いた状態になっているくらいだ。山登りをしない人でも、汗かきの人にはお勧めだ。

その後は洗濯をしたり喫煙所でご歓談したりCDを聞きながら横になったり、のんびりして過ごす。夜になるとだいぶ疲れもとれてきた。

さてさて、今夜は果たしてぐっすり眠れるだろうか。明日月曜日は一番ハードスケジュールな日だ。午前は作業療法とデイケア、午後はデイケアにカウンセリング、そして入浴。なかなか忙しい。と言っても会社で働いていた頃に比べるとはるかに楽チンなのだが、これくらいのことがこなせなくては社会復帰はまだまだ遠い。あせらずゆっくりがんばろう。

いかん、最強の眠剤ベゲタミンが追加されたにもかかわらず、睡眠は不安定だ。寝つきはよかったものの、0時に目が覚め、追加眠剤をもらいに行った。それで眠れるかと思いきや、またまた2時半に目が覚める。もう一度寝ようと試みるが15分くらいで目が覚める。しかたがないので、また追加眠剤をもらいに行く。後に残るかもしれないという強い眠剤だ。夜勤の看護婦は「明日予定ない?寝てても大丈夫?」と言って渡してくれた。それを飲むと熟睡できた。が、起きたのは結局5時前。眠剤が増える前とぜんぜん変わりない。追加眠剤をもらっているから、何とか熟睡はできているようだ。朝早く起きても頭のぼんやり感はない。

ところで昨日の日記のアップに失敗しているようだ。PDAからだとやはり何かうまくいかないところがあるようなので、今日外泊で家に戻るから、PCからアップしなおそう。

今日もいい天気だ。朝食後は日課となりつつある散歩。今日は近場で猫と遊ぶ。ちょっと人に慣れてなくて、近くによると逃げていってしまう。と言っても遠くへ行ってしまうわけではなく、2メートルくらいの距離をおいて寝転がっている。他の患者が来てえさをあげだしたら寄ってきたので、私も一緒にえさをやる。少しはなついてくれないかなあ。その後作業棟の前でオカリナを吹く。

今日から外泊だ。少し早めに病棟を出てバス停でバスを待つ。日差しがきつい。連日のソフトボールのせいですっかり日焼けしてしまった。バスと電車を乗り継ぎ、途中横浜で買い物をして家に帰る。税所弘の本を買った。「早起き健康法」というのをやっている人で、うつ病の本を何冊も出している。うつ病に関する本は今まで何冊も読んだが、この人の本は読んだことがなかった。何かのヒントにでもなればいいが。

家に帰り、まずは散髪屋に予約を入れる。合唱団Pの練習が18時半からなので、16時半に予約を入れた。そして、自分が管理しているHPの更新などの作業をちょこちょこやる。そうこうしているうちに彼女がから電話がかかってきて、家で一緒にご飯を食べる。14時前に彼女はバイトへ戻っていってしまった。その後、いつのまにか布団の上でうとうとしているうちに寝てしまった。気がつくと16時。ありゃ〜、今からでは16時半には間に合わないぞい。しかたがないので散髪屋にキャンセルの電話を入れ、とりあえず家を出る。

散髪屋に着いたのは16時40分ころか。「1時間くらい待ち時間がありますけど」と言われたが、このぼさぼさの頭は今日中になんとかしたい。合唱団Pの練習には遅れるが、待つことにした。そうすると案外早く順番が回ってきた。17時25分くらいだったか。終わったのが18時20分。電車に乗って移動し、途中マックで「おとうふサンド」を買っていく。ダイエット中だから今日の夕食はこれ1個。

練習会場に着くと、少し集まりが遅かったようで、ちょうど練習が始まるところだった。ブラームスを3曲、そしてプーランクを3曲。21時半までみっちり練習する。なかなかハードだ。でも疲れはさほど感じない。

練習後は飲みに行きたいのを我慢して家に帰る。帰る途中、さすがに疲れを感じた。病院での作業療法とデイケアのダブルヘッダーなどのプログラムの方がよっぽど疲れるような気がするが、あっちはスポーツ中心なので体の疲れ。今日の疲れは神経の疲れ、といった感じだ。やはり病院の中でのんびりと暮らしていると、街中に出て電車に乗って人ごみの中を歩くだけで神経が疲れる。それに慣れるための外泊訓練でもあるのだ。

さて、病棟ではとっくに消灯時間を過ぎているので、今日は夜更かしになってしまったが、まあたまにはいいだろう。問題はこれから眠れるか、だ。一応追加眠剤ももらってきてあるが、使うことになるのだろうか。

昨日もよく眠れなかった。寝つきはけっこうよかったものの、また0時に目が覚める。今度は追加眠剤をもらわずにもう一度寝ようとするが、断続的に目が覚め、ついに2時に追加眠剤をもらいに行った。サイレース2mg。けっこう強い眠剤で、これで眠れなければ異常としか言わざるを得ない。しかし、やはり熟睡はできずに何度も目が覚める。結局4時に起きてホールへ出てきて一服した。そしてこれを書いている。眠剤が増やされるだろう。あまり薬は増やしたくないが、こういう状態ではいたしかたない。台風が接近している。外はもう嵐だ。

朝になると雨もやんで日が照っている。今日も散歩日よりだ。しかし、熟睡できなかったためかなんだかだるく、朝食後横になってると少し寝てしまう。8時40分ころに日勤の看護婦が挨拶にやってきて起きる。少し体がだるく頭もぼんやりしている。もう少しすると作業棟へ行ってエアロバイクを漕がなくてはならない。が、なんだかめんどくさい。「なんだかめんどくさい」これを乗りきることが必要なのだ。、まだ「気合で何とかなる」範囲のだるさなのだから。

何とか作業棟へ行き、いつものメニューをこなす。まずは体力テストから。またもや「6段階中の4。優れている」ほんとかなあ。そう思っていたら作業療法士がやってきて、「お、けっこう維持してるじゃないですか」と言う。前の入院のときにもお世話になった方で、そのときもずっとエアロバイクを漕いでいて、最初は体力テストの結果が2だったのが、最後は5までいったのだ。それからすっかり衰えていると思っていたが、作業療法士が言うには「筋力はすぐ落ちるけど、持久力はけっこう落ちないもんなんだよね」と言う。自信を持っていいようだ。その後30分の通常トレーニング。やるたびに消費カロリーがあがっていく。いい傾向だ。燃えろ体脂肪!

エアロバイクを漕いだ後はいったん病棟に戻り、明日からあさってにかけての外泊届を書いて出す。毎週末は外泊で家に帰る。明日は、そうだなあ伸びきってどうしようもないこの髪を切りに散髪に行こう。そして久々に合唱団Pの練習に出るのだ。入院しているはずの私が現れたら、みんなさぞかし驚くかもしれない。

そしてすぐに体育館へ行ってデイケアに合流する。なかなか忙しい。デイケアでは三角ベースをやった後、ポートボールをやった。おととい、昨日とソフトボールをやって今日もスポーツができるなんて、なんて恵まれているんだ。存分に楽しんだ。体はやはりきついが、前よりも疲労感は少ない。

12時前に病棟に戻り、昼食。この昼食からダイエットメニューになっている。確かにみんなは肉を焼いたような料理を食べているが、私は豆腐だった。カロリー制限もやって、少しでも体重と体脂肪を減らして退院したい。しかし、その後のリバウンドに気をつけなければ。

昼食後、主治医に呼ばれて面接する。昨日の夜も追加眠剤をもらったが断続的にしか眠れなかったことを報告すると、眠剤が増えることになった。ベゲタミンが1錠増える。バルビツール系のちょいと怖い眠剤なのだが、眠れるようになれば眠剤も減っていくだろうから、しばらくはしかたがないだろう。、

そしてその後はデイケアへ。忙しい一日だ。デイケアルームは冷房がきいていて涼しい。病棟は7月にならないと冷房が入らないらしく、毎日蒸し暑い思いをしている。しかし、看護師室はクーラーがきいている。ずる〜いとみんな思っている。金を払っている方が暑い思いをして、金をもらっている方が涼しい思いをしているなんて、民間企業に勤務する私にはとても理解できない。病院というのはおかしなところだ。病院にもよるのかもしれないが、患者に対して高飛車な気がするのは私だけだろうか。患者に対するアメニティというものを、ここの病院はどれだけまじめに考えていることか。

デイケアのプログラムは最近変更になり、今まで午後はずっとスタッフ主導でゲームをやっていたのが、これからは曜日によっては患者が主導になってやりたいことをみんなで決めてやったりするフリーの日が入ることになった。今日はそのフリーの日で、何をやるかと思ってデイケアルームにいたが、特に誰かが何をやろうと言いだすこともなく、あっちで将棋をしていると思えばこっちでは談笑に花が咲いていたり、はたまた昼寝をしている人もちらほら。私も話に混じっていたが、トランプをやるようなのでそっちに参加した。この病院のデイケア伝統の「いんけんばば抜き」をやった。普通のばば抜きと基本的に変わりはない。違うのは、ジョーカーを持っている人が誰かに話しかけて、話しかけられた人がそれに答えてしまうと、ジョーカーがそっちに移動する、というものだ。文章で説明してもいまいち何がおもしろいかわからないが、実際にやってみると何気なく会話をしながら微妙な駆け引きが必要になってきたりして、ちょいとスリリング。今日のデイケアはそれで終わった。

それにしても、いきなり活動レベルがあがっている。デイケアで話していて「テンション高くないですか?」と聞かれた。ハイテンションなのかもしれないが、自覚できない。躁状態は自覚できないのだ。そう言うと昨日の主治医との面接でも、眠れない、と言うと「テンションは高くないですか?」と聞かれた。躁状態になると眠れなくなる、ということがあるらしい。そのときは「そういうことはないです」と答えたが、最近のオーバーワーク気味の自分を振り返ると、ひょっとしたら軽い躁状態になっているのかもしれない。そんなときには無意識にとんでもないこと、通常の自分ではやらないようなむちゃくちゃなことを調子に乗ってやってしまったりするので要注意だ。

病棟に戻って入浴。この病棟は古くて汚くて、病室に平気でゴキブリが出たりするが、風呂だけは院内で一番新しく、広くてきれいだ。汗を流してさっぱりし、のんびり湯につかる。

その後のんびりと散歩に出る。風が強く吹いて気持ちいい。作業棟の前の広場の隅でしばらくオカリナを吹いた。その後作業棟を覗いてみると、デイケアの音楽クラブの連中がサンバの曲を練習していた。素人を集めてクラブでやってるにしては、まあまあかな。病棟に戻ると「オカリナ聞こえてたよ。いい音だね」とか「上手だね」「聞いてると癒されるね」とか言ってくれた。自分は好きで吹いているのに、そういう風に言ってもらえるのはとても嬉しい。

夜はゆっくり音楽を聞きながら横になり、体を休める。寝ていると看護婦から呼び出しがかかった。彼女からの電話だった。不眠のことや薬のこと、躁気味のことを話すと、木曜日に面会に来たとき、彼女自信も「少しテンションが高いな」と思ったらしい。明日は外泊で家に戻るが彼女はバイト。夜は私は合唱団Pの練習。彼女はすぐ近所でバイトしているので、昼休みの1時間の間にうちで一緒にご飯を食べることした。短い時間しか会えないのは残念だが、日曜にまた会える。と言っても彼女のバイトが13時からなので、それまでなのだが。

おかしい。何かがおかしい。昨日も寝つくのに1時間くらいかかった。あれだけ運動して体が疲れているのだから、すぐに眠れそうなものなのに。そして0時に目が覚めた。昨日と同じだ、昨日はその後よく眠れなかったので、今日は追加眠剤をもらいに行った。これで朝までぐっすり眠れるだろう。と思いきや、また2時半に目が覚めた。なんなんだ。これもまた昨日と同じ。昨日はその後、本当に断続的に寝たり起きたりを繰り返して寝た気がしなかったので、また追加眠剤をもらいにいtった。追加眠剤がもらえるのは3時までに2回まで。もらいにいくと、「さっきも飲んだよね。2回目のはけっこう強い薬で、朝に残っちゃうかもしれないよ」そう言われたが、私はとにかく深く眠りたい。「それでいいのでください」そう言って薬を飲んで寝る、そして起きたのが4時50分。けっこう熟睡できた感じで頭もすっきりしている。しかし、朝に残るどころか5時前に目が覚めるとは。まだまだ私の体はおかしいようだ。そもそも寝る前に飲んでいる4種類の眠剤もかなり強いものばかりなのに。

ホールへ出ていくと他の患者がすでに起きている。いつもと同じ顔ぶれだ。眠れない人は決まっている。朝の一服はうまい。

今日は久々に晴れだ。朝食後、昨晩洗濯して部屋に干してあった洗濯物を中庭に干しに行く。みんな今日は洗濯物が乾くぞと嬉しがって、次々と干しに行っている。梅雨の晴れ間は嬉しいものだ。これで湿度が低ければなあ。

今日は天気もいいので久々に外で散歩。海の見える丘でオカリナを吹き、そして人なつっこい猫としばしたわむれる。その横をデイケアのスタッフがちょうど出勤するところで通り過ぎていって笑われた。場所を変えて、今度は山のふもとの小グラウンドでオカリナを吹いていると、同じ病棟の女性2人が近づいてきてほめてくれた。せっかくだから2人を山の中の散歩コースに連れていき、海が一望できる一番眺めのよい場所へ行く。涼しい風が吹いて肌に心地よい。山道は誰も整備していないので草がぼうぼう。くもの巣がたくさんはっていた。心地よい汗をかいて帰ってきたが、病棟へ戻ると女性2人はタイムオーバーで看護婦さんに起こられていた。散歩の時間は1時間と決まっていて、行くときにノートに出る時間を書いておくのだ。何時までか教えてもらっていたらその時間までに戻ったのに、とは言え山の散歩コースにどれくらい時間がかかるか知らせてなかった自分も悪い。ちょっと迷惑をかけてしまった。

木曜の午前はデイケアに行かずに病棟のプログラムである体育館レクに出る。今日はバレーボールだった。、バレーといってもいつも使っている普通のボールでなく、スポンジみたいな素材でできた大きめのソフトバレーボールで、これが軽くて微妙な動きをしてちょっと扱いづらい。でも汗を流せて気持ちよかった。休憩中に外へ出ると、気持ちよい風が吹いていた。

木曜の午後は通常ならデイケアに出るはずだったが、今日は病棟のレクでソフトボールをやるというのでそっちに参加する。昨日と連ちゃんでソフトボールができるなんて、なんて幸せなんだ。今日はピーカン、とってもいい天気。その中を爽やかな風が吹きぬける。プレーしていて気持ちよかった。

ちょうど15時にソフトボールが終了した。非入浴日の今日は15時からシャワータイムだ。今週は女性からなので順番を待っていると、彼女が面会に来た。今日の15時くらいに来る、と言っていたので来るのはわかっていたのだが。ちょっと話しているとシャワーが男性の順番になったので入ってきて、また彼女と話す。話していると今度は主治医がやってきて呼ばれたのでまた中座する。

主治医との面接では、おととい、昨日と夜中に目が覚めたこと、おとといは2時半以降断続的にしか眠れなくなり、昨日は追加眠剤を2回飲んだことを話す。追加眠剤は何という薬か尋ねてみると、1回目はサイレース、2回目はイソタミールとボロパリンを混ぜた粉末らしい。サイレースはずっと飲んでいる薬なので知っているが、あとの2つは聞いたことがない。「癖になったりするのであまり出さない方がいいんですけどね」主治医はそう言う。どんな薬か家に帰ったときに調べてみよう。今夜また眠れなかったら眠剤を増やすことになった。ついでにダイエットメニューのことも相談し、明日からダイエットメニューになった。運動とダイエットメニューでやせるのだ!

再び彼女と話し、夕食の17時前に帰るので玄関まで送って行ったら、もう玄関の鍵がしまっていて出られない。17時までまだ10分もあるのに気の早い看護婦もいるものだ。看護婦さんに言って玄関を開けてもらう。玄関の鍵があいているのは7時半から17時まで。それ以外の時間は表からも中からも鍵がないと開けない。患者が逃亡すると困るからだ。開放的なようだがやはりここは精神科。管理は厳しい。

精神科の病棟が他の普通の病院と違っているところ、それは他にもいろいろある。医療スタッフが気をつけていること、それは「患者に自殺、自傷行為をさせないこと」である。入院時に持ち物はチェックされ、コードやひもの類や刃物などは全部預かられる。私も小さな鋏と爪きり、それにシェーバーの充電用のコードも取られてしまった。使うときには言えば出してくれて、看護婦の見えるところで使う。携帯電話も取り上げられた。これは他の病院のように「医療機器などが誤動作を起こすなどの影響があるため」ではなく、「外部とコミュニケーションを取ることが治療の妨げになる可能性があるから」なのだ。それから服薬の時間になると、みんなコップを持ってずらっと並ぶ。そして1人ずつ薬を手渡され、看護婦の目の前で飲んで「飲みました」と言わなければならない。薬を確実に飲ませるためであるが、薬を患者に自己管理させると大量服薬をやったりする患者がいるからだ。薬を飲むのも嫌がる患者もいるが、入院時はごまかしはきかない。

まあ、私がいる開放病棟はまだ甘くて、閉鎖病棟はもっと厳しい。この病棟では、患者によって行動許可範囲が異なるが、原則的に日中は1時間以内なら散歩にもいけるし売店に買い物にも行ける。閉鎖病棟ではそれができない。ずっとおりの中だ。おりというと、開放病棟の窓はちゃんと開くが、閉鎖病棟の窓は10cmくらいしか開かない。

夜は久々に「アンビリバボー」の心霊写真特集を見る。実はこの手の番組は好きなのだ。

昨日も比較的早く寝つけたかと思う。前日ほどではなかったが。21時に就寝なのだが、しかし0時半に目が覚める。もう一度寝るが今度は2時に目が覚め、その次は3時に目が覚めた。もう一度寝ようとするが10分ほどで目が覚める。ここでトイレに行って、一服しようと喫煙所に行くと、なんと7人もいた。みんな眠れないのだ。精神病の症状として睡眠障害は共通しているのだ。一服してから再び病室へ戻って寝る。4時くらいにいったん目が覚めたような気がするが、次は5時まで眠れた。もう起きることにしてこれを書いている。今日はおめめぱっちり頭すっきり、というわけにはいかず、少しぼんやりしている。トータルでは結構寝ているものの、眠りが浅く、熟睡間がない。昨日運動して体が疲れているはずなのに、そしてあれだけ眠剤を飲んでいるのに。

朝食後、音楽を聞きながら2時間ほど寝てしまう。やはり寝足りない。深く眠れてないのだ。そろそろデイケアに行かなくては。でもなんかめんどくさい。これだ、これが悪循環の始まりかもしれない。これが自宅なら「調子がいまいちなので休もう」になるのかもしれないが、ここは病院。行くのはすぐだ。「気合い」でなんとかなるレベルのだるさ。気合で起きて準備をする。

今日のデイケアはソフトボール。広大な敷地を持つこの病院は、自前の体育館を持っているほか、敷地内にグラウンドやテニスコートもあるし、小さな山まである。小雨が降ったりやんだりする中、グラウンドで汗を流す。湿気が多くて不快指数は高いが、ソフトボールやっていて楽しい。

病棟へ戻って昼食を食べる。まとわりつく汗がべたべたして気持ち悪い。一服して一息ついてから、またデイケア棟へ。午後のプログラムはゲーム。今日は「たほいや」をやった。なんと懐かしい。10年くらい前のテレビの深夜番組でやっていたゲームだ。私は実際はその番組を見たことはないのだが、当時はまっていたパズル雑誌「ニコリ」にたほいやのことが取り上げられていたので、それで知っておもしろそうなゲームだなと思っていた。広辞苑から誰も知らなさそうな言葉を選んで、辞書に載っている本当の意味と、みんなが考えた「いかにもその言葉の意味っぽくて辞書に載ってそうなそれっぽい意味」をまぜて、どれが本当の意味でしょう、というのを当てるゲームだ。今日のお題は2つあって、「たまうてな」と「たでる」。珍解説やウケ狙いなどもあっておもしろかったが、正解を当てることはできなかった。

15時過ぎにjデイケアが終わり、病棟へ戻ってくる。本当はこの後にクラブ活動として、今日はテニスがあるのだが、とりあえず無理をせずに今日はおとなしく病棟に戻ることにした。もうだいぶ疲れている。来週あたりに余裕がありそうだったら、テニスにも参加していたい。少しずつ負荷を大きくしていくのだ。

病棟に戻ったらちょうど入浴が男性の最後の人の番だったので一緒に入る。これが女性が後の週だったら、女性が全員入り終わるまで待たなければならない。今日は午前中にソフトボールをやって土っぽくなっていたので、風呂がとても気持ちよかった。

夕食後、喫煙所で話をしていて、せっかく入院しているからこの機会にダイエットしようと思っている、と他の患者に話したら、医者に頼めば「ダイエットメニュー」にしてもらえるよ、という情報を得た。カロリー制限された食事をしているのは過食症などの節食障害の患者だけかと思ったら、そういうわけでもなくて、ただダイエットしたいから、というだけでもダイエットメニューにしてもらえるようだ。明日主治医に相談しよう。