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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

昨日の睡眠の状況
 21:00 就寝
 00:48 中途覚醒
 02:06 中途覚醒
 02:50 中途覚醒
 03:00 中途覚醒 喫煙所で一服
 04:16 中途覚醒
 04:36 中途覚醒
 04:40 起床
前の日は5時間連続で寝られたから、昨日も眠れるかな、あんなに運動して疲れたし、と思っていたが、また中途覚醒の嵐。とは言え、細かい時間感覚で目が覚めることが多く、大きな睡眠はある程度確保している。4時40分に起きたときは、実はその4分前にも目が覚めているのだが、まだ眠たいのに眠れない状態になったのだ。3時に起きたときもそうで、いったんホールに出て一服していたのだが、タバコを吸っているうちにまた眠気が来たので戻って寝た。それにしても眠たいのに眠れない、眠ってもすぐに目が覚めるというのはどういうことだろう。

今日の午前中は病棟の体育館レクだが、私は外出して皮膚科へ行った。アトピーの薬が切れてきたのでもらいに行ったのだ。前に入院していたときにも病院から通っていた駅前の皮膚科にバスで行く。9時診察開始、8時半受付開始だが、8時半に着いた時点ですでに10人くらい先客がいた。その後も次から次へと患者が殺到し、待合室は超満杯。どうして皮膚科はどこも混んでいるのだろうか。

45分くらい待たされてやっと診察。と言っても薬をもらうだけなので、すぐに終わった。待っている間に、来週月曜日の夕方に予定しているにマンションの見学を、金曜日の夕方にできないか、と思いついた。土曜日から外泊する予定だったが、金曜日の午後からもう病院を出てしまって、その日のうちに見れるかもしれない。とにかくはやく実物を見て、さっさと契約してしまいたいのだ。他の誰かに取られないうちに。

診察が終わって会計を済ませ、隣の薬局で処方箋を出して薬をもらう。バスが出るまでけっこう時間があるので、彼女に電話して予定を確かめ、不動産屋に電話して金曜日の夕方に見学がOKか聞いてみる。鍵を準備する必要があるが、多分大丈夫です、ということだった。念のため明日の朝に確認の電話をすることになった。やった、これで明日物件が見れるぞ。楽しみだな〜。

昼休み、作業棟にエアロバイクを漕ぎに行った。だがおかしい。いつもより心拍数がずっと少ない。そして負荷がどんどん上がっていく。なんだろう。自分の手首で脈を確かめてみたら、不整脈だった。これではセンサも性格に検知できない。もう久しく不整脈は出てなかったのに、なぜ今出てきたのだろう。何かの危険信号なのだろうか。負荷がどんどん上がって苦しくなったので、10分で中止した。

午後からのデイケアに出る。15時まではゲームをやった。チームに分かれて「これってなんでだろう?」という疑問を考えて、それの答えをみんなが考える。一番おもしろい答えを言った人に点数が入る、というゲームだった。こういうゲームでは必ず内輪ネタが出てきておもしろい。私もネタは3つ考えたが、1つ内輪ネタが入っており、同じグループの人にそれがいんじゃない、と言われたのでそれを発表することになった。没になったネタも紙に書いておいたのだが、後からスタッフが読んでおもしろいと言ってくれたので発表してくれた。あと2つのネタとは「漫画の主人公が第1話で転校してくるのはなんでだろう」というのと、「デビルマンが変身するときに服が破れるのに、元に戻るとちゃんと服を着てるのなんでだろう」というものだった。

15時からはバレーボール。昨日のテニスで「リラックス、リラックス」というのを忘れていたので、今日はスポーツをしながらもリラックスをこころがけよう、と考えながらやっていた。が、やはりいつの間にか頭からそんなこと吹っ飛んでいた。うむ、まだまだだ。常に冷静沈着でなくては。毎日が修行なのだ。

ところでバレーの途中で人とぶつかって眼鏡がゆがんでしまった。この間なおしてもらったばかりなのに。明日から外泊するから、家に帰るついでに眼鏡屋によってこよう。スポーツをするならやはりコンタクトの方がいいのだろうか。しかし私はアレルギーもあって、コンタクトにしようと思ったことはない。一回くらい作って試してみようか。

昨日の睡眠の状況
 22:30 就寝
 03:33 起床
なんと、5時間連続で眠れた。3時半に起きたときはやけに目がぱっちり開いて頭が冴えていた。5時間しか寝てないが、中途覚醒はなし。体は動く。朝からせっせと部屋の片付け。いらなくなったものをどんどんゴミ袋に放り込んでいく。昔の低速CD-Rドライブも捨て捨て。昔の2GBのHDDは、いったんSCSIカードで接続して今のHDDに中身をコピーしてから捨て捨て。買ったソフトの箱もマニュアルも、必要なものだけ残してどんどん捨てていく。そして売れそうにないから捨てようと思っていたたくさんの本たちも捨ててしまう。今日はちょうどゴミの日だ。全部まとめて出してしまえ。そんなこんなしているうちに5時になってしまった。

散歩がてら、朝食を買って、昨日の夜も見てきた物件を見に行く。うん、明るいところで見てもきれいだ。早く中が見たいぞ。

帰ってまたまた部屋の整理を始める。いらないフロッピーなんかをどんどん捨てていく。うん、捨てるというのは気持ちいいことだ。最近はフロッピーなんかめったに使わなくなったから、ブランクディスクが数枚残っていればいいだろう。とっておきたいファイルだけをHDDに移し、5枚くらいのフロッピーを残してあとは捨てた。

やっと6時半になった。いつも病院でやっている通りにラジオ体操をする。これでますます気分爽快。テレビで天気予報を見る。今日は曇りのようだ。ソフトボールができるな、よし。あちゃ〜、土曜日は雨か。土曜日は知人の入っている合唱団に合唱団Pのチラシを挟み込みにいかないといけないのだ。しかたがないけど、何とか濡れないようにして持っていかなくてはならない。今年は梅雨明けが遅そうだ。家を出るまで時間があったので以前に入院していたときの日記を読み返していた。ずっと同じことをぐるぐる悩んでいたような気がする。今と同じようなことを書いていても、表面上しかわかってなくて実感として理解できていなかったこともある。それだけ前に進んだということか。

8時を過ぎたので家を出て病院へ戻る。午前中のデイケアはソフトボール。人数は少な目だったが試合をやった。準備体操の後、亡くなったメンバーを冥福を祈って黙祷した。いつもピッチャーをやっていた彼の代わりに今日は私がピッチャーをやった。13−5で快勝し、勝利投手となった。打つ方も6打数5安打とよく打てた。特に、私が左バッターボックスに立ったら内野も外野もみんな右に寄って左ががら空きになったので、左方向をねらって打ったらちょうどレフト線いっぱいの当たりが外野に飛んだ。狙い通りに決まって気持ちよかった。

午後のプログラムは、今日はまずゲーム。クイズ番組「クイズ・ヘキサゴン」のパクリをやった。1人3問ずつ、メンバーの半分くらいが知ってそうな問題、という微妙な問題を考えて紙に書き、それをシャッフルする。そして2人1組になって、1組ずつ順番に親になり、親はランダムに問題を選んで読み上げ、残りの組が紙に答えを書く。そして、親は間違った答えを書いた組を当てる、というゲームだ。全員が正解だと思う場合は親は「セーブ」と言って誰も指名しないことができるが、それで誰か間違えていたら親に×がつく。超簡単な問題で解答者がセーブ崩しをやって来たり、まるで番組でやっているように盛り上がった。とてもおもしろかったのでまたやろう、と言うことになって集めた問題の紙は使い回せるようにとっておくことになった。

その後はテニス。今日は人数が少なめだったので練習もちゃんとできたし、試合も2試合できた。私は元卓球部なので、どうも打ち方に卓球の癖がついている。テイクバックがないのだ。先週それを指摘されたので、今日はそれを意識してやってみたが、なかなか思うようにいかない。スイートスポットになかなか当たらない。そう言えば病院の中でも「リラックス、リラックス」を心掛けようと思っていたのにすっかり忘れていた。スポーツもリラックスが大事だ。もっと力を抜いて軽く振り抜けばいいのかもしれない。何かにかかりきりになると、どうも「リラックス、リラックス」というのを忘れてしまうようだ。これがストレスを発散するようなスポーツだったからいいようなものの、ストレスをため込むような仕事にかかりっきりになってリラックスを忘れてしまうと、また悪い状態になってしまうだろう。今のうちから、常に自分をリラックスさせるように、無意識下に刷り込むのだ。

病棟に帰ってきてお風呂に入ろうとしたら、なんともう湯が抜かれていた。がちょーん、である。入浴の時間は13時からで、みんなが入り終わるとだいたい15時半くらいに終わる。だが作業所や、私のようにデイケアに通っている人は帰ってきてから入る。看護婦は誰が風呂に入ったかをちゃんとチェックしていて、最後の人には「お湯、抜いておいてください」と言うときもある。今日は誰かが間違って勝手に抜いてしまったのだろうか。仕方がないのでシャワーで済ませ、あがってから看護婦に言った。みんなもう夕食を食べているところだったが、「お風呂の栓抜いたの誰〜」看護婦が尋ねた。誰も答えない。私が自分の箸とコップを取りにいったん病室に戻ったときに別の看護婦がやってきて「ごめん、私が間違えて抜いちゃった」おいおいおい。

それにしても今日は疲れた。ただ疲れた、と言うよりばてた、という感じだ。やはり暑くなってきたからだろうか。テニスを体育館でやったとき、蒸し風呂のような状態だった。やはり私は暑さに弱いようだ。

昨日の睡眠の状況
 21:00 就寝
 01:16 中途覚醒
 01:57 中途覚醒
 03:15 中途覚醒
 03:28 起床
昨日はショックが大きくて、自分でも夜ちゃんと眠れるかどうか心配だったが、無事寝付けたようだ。3時半と早くに起きたが6時間半寝てるからいいだろう。中途覚醒も3回だが、1時台と3時台に細かく目が覚めている。大きな睡眠は割と取れている感じがする。

明日からバスの時刻表が変わる。昨日、バスの乗り継ぎの時間がけっこうあったので、時刻表を写してきた。それをExcel互換ソフトにせっせと入力していった。暇なときはこういう作業がうってつけだ。

朝食後、散歩に行く。今度は病院前のバス停の時刻表をせっせとメモ帳に写す。これも入力しよう。散歩の後、お通夜に出席するために外泊届けを出す。

午前中の活動はいつも通り。作業棟に行ってエアロバイクを漕ぎ、デイケアに行って今日は園芸をやる。今日はなすとピーマンを収穫し、とうもろこしの茎が風で倒れないように棒で支え、草刈りをした。お天気は曇りでそんなに暑くもなく、快適に農作業ができた。調子は今日はいい方だろう。

昼食を食べ終えてから外泊届けと薬を出してもらい、病院を出る。家に帰ってきて、お通夜に行くために乗る電車をネットで調べる。2時間ほど余裕があったので、またまた先日の続きで大量の本をザックに詰めて駅前の古本屋に売りに行く。3回往復してもまだ残っている。あとちょっとだが、あまり無理しないように今日はそれだけでやめておいた。

3回目に古本屋に行った帰り、今のマンションを借りるときにもお世話になった不動産屋の前を通りかかった。ふと、そうそう2人で住むところ探さなきゃなあ、と思っていたのでちょっと窓にべたべた貼っている賃貸広告を眺めてみた。だいたい条件は絞れている。まず、今の住居の近くであること。今は彼女の実家まで歩いて3分、会社までも歩いて20分、駅までも歩いて5分、商店街のど真ん中でスーパーは歩いて1分という超便利なところだ。

便利なところを探そうとすると当然家賃は高くなってくるが、何を隠そう、彼女は車の免許を持ってないどころか自転車すら乗れない。あまりにも便利なところに住んでいる上に内向的な子だったので、自転車に乗る、という機会がなかったし、そもそも家にも自転車がない。ぼ〜っとした子なので、今から自転車に乗る練習をさせるのも車の免許を取らせるのも怖い。多分向いてないだろう。だから、便利なところでないと困るのである。

そして彼女は姪の面倒をときどき見たりしないといけないのでちょこちょこ実家にも行く必要がある。私も会社から近いほうが、調子が悪いときでも行きやすいので、やはりこの辺がいい。だがこの辺は横浜駅へ歩いて行ける距離で、ちょっと相場は高めだ。2LDKに住みたかったが、月々の家賃の予算を考えるとこの辺りだと2DKがせいぜいかな、と思っていた。

が、掘り出し物の物件があったのである。駅から徒歩3分、彼女の実家までも5分くらい、私の会社までは多分今のところより近いだろう。そういう2LDKの物件が手ごろな家賃であったのだ。即不動産屋に飛び込んで話を聞く。こういう賃貸マンションなんかは足が速いという。タイミングが重要だ。とにかく話を聞いてみて、今日はお通夜があって時間がないので、私と彼女の都合のあう来週の月曜日の夕方に現地に見に行くことになった。

いやはや、間取り図を見てとても気に入った。真中にLD約9.2帖、その両端に和室と洋室が6帖、そして全部の部屋が窓に面している。洋室には出窓があり、LDと和室はバルコニーに面している。私も彼女もこの間取り図を見て非常に気に入って、来週見に行って文句がなければすぐに契約しよう、ということになった。私はあと2、3回外泊したら退院できると主治医が昨日言っていた。あと3回外泊し、戻ってきた週の金曜日に退院したとして8月8日。確定ではないが私の中で予定している退院日である。よし、7月中に契約して8月から借りて、今のところは8月いっぱいで出ることにしよう。幸い平日にも動ける身だ。平日の午後にでも引っ越して安く済ませよう。

そしてデイケアのメンバーのお通夜へ向かう。斎場にはたくさんの人だった。やっと彼の死を自分の中で受け止めることができるようになってきた。スポーツが得意で、明るかった彼。まだ21歳で、病気がかなりよくなってきたので通信制の大学を受けたいと言っていた彼。まだまだこれからだったのに、なぜ彼が死ななくてはならないのか。先週まで一緒にスポーツやレクリエーションをやっていた彼が今はもういない。人はなんと簡単に死んでしまうものなのか。本当に人の運命はわからないものだ。今回彼が死んではじめて思った。「命は大切にしよう」

嬉しがったり悲しがったり忙しい1日であったが、お通夜の帰り、実際に物件を見に行く。おお、けっこうきれいなマンションではないか。窓はどうやら東を向いているようだ。いいんではないか?早く現地が見たいものだ。

昨日の睡眠の状況
 21:50 就寝
 01:47 中途覚醒
 02:59 中途覚醒
 03:10 中途覚醒 追加眠剤
 04:23 起床
昨日は早目に寝た。今日は朝に病院に戻らないといけないので、夜更かしは避けた。そして、最近は追加眠剤を使っていなかったが、そうすると朝に頭がぼんやりしてしまい、もう一度寝てしまうことも多かったので、昨夜は追加眠剤を使った。おかげで目はばっちり覚めた。しかし、追加眠剤のサイレース2mgが1時間くらいしかもたないとは。外は雨がけっこう強く降っている。今日も早朝散歩は無理そうだ。引越しに向けて捨てないといけないゴミだけでも捨てなければ。とりあえず傘をさしてゴミを捨てに行く。他にも紐でしばった書籍や紙袋につめたCDがあるが、これらは晴れの日に捨てよう。それにしても、少し頭がぼんやりしている。追加眠剤が残っているのか。もう少し眠れたかもしれない。あわてておきる必要はなかった。

朝はデイケアに出るには8時過ぎに家を出ればいい。が、朝早く起きたので暇だったから7時過ぎに家を出た。バスの本数が少ないので病院まで行くバスを15分ほど待つ羽目になったが、8時50分くらいに病院に着いた。今からなら作業棟へ行ってエアロバイクを漕いでからデイケアに合流することもできる。が、やめておいた。ちょっと調子がよくなったからと言っていきなりあれもこれも、と詰め込みすぎるのは自分の悪い癖だ。今日はちゃんと朝起きて、昨日の疲れも残さずに病院に来れただけで充分。デイケアの時間までちょっとゆっくり休もう。そう、今日もリラックス、リラックス。満員電車の中でもリラックス、リラックスで乗り切った。これから病院の中でも、何の活動をしていても常にリラックスを心掛けていって、自分の心の癖にしてしまおう。あせらずに、ゆっくりと、ゆっくりと。そう言えば、前回の入院のときから、2泊3日の外泊を疲れずに乗り切ったのははじめてだ。今回の外泊は成功だと言えよう。やっと前に進み出した。前にに光が見えてきた。

デイケアに行き、しばらく調子よくお喋りしていたのに、デイケア担当医が来てメンバーの訃報を知らされ、愕然となる。ショックでしばらく口もきけなかった。先週まであんなに元気に飛び回っていたのに。しばらく落ち込んで何もやる気が起こらなかったが、デイケアのプログラムは通常通り行われた。卓球と三角ベースをやって、少しは気が紛れた。でも病棟に戻って昼食を食べてると、またやるせない思いがこみ上げてくる。なぜなんだ、なぜ彼が死ななければならないんだ。なぜなんだ。

午後のデイケアはミーティング。朝はメンバーが少なかったので、ここであらためて師長からメンバーの訃報について話があり、お通夜や告別式の日時が知らされた。私もかけつけたいところだが、なにせ入院中のため夜の外出もできなければ喪服もない。退院したらお墓参りにでも行ってお線香をあげよう。いつもは明るいデイケアも今日は雰囲気が暗く重たかった。しばらくはこの状態が続くかもしれない。私もそうだが、本当に身近な人の死というものに直面したのははじめての人が多く、みんな相当ショックを受けている。みんなで彼の死を乗り越えて、また明るいデイケアに戻していきたいものだ。

デイケアの後はカウンセリング。自律訓練法を毎日やって、外泊では1日ごとに疲れをためないように注意したこと、そのために常にリラックス、リラックスを心掛けていたら、疲れを感じなく、ずっと調子が良かったことを話す。そして「流動的思考」を試してみて、入ってくる情報をため込まずにどんどん流していったことも話した。カウンセラーは「非常にいいやり方をしましたね」と言った。まずリラックスだが、リラックスするというのは副交感神経が優位に立つことだ。しかし、「リラックスしなければ」という思いに駆られると、その「しなければ」と言うのが自分にとっての命令となり、それは交感神経を優位に立たせること、つまり体を緊張状態に導くのだ。だから「リラックスしなければ」と思うのは矛盾していることだと言う。では私の場合なぜうまくいったかたと言うと、「リラックスしなければ」という命令ではなく、ずっと「リラックス、リラックス」とぶつぶつ自分で言っていたからで、それは命令ではなく、自己暗示となって無意識下に刷り込まれる。だからうまくいったのだと言う。そして「流動的思考」も、禅で言うところの「無」と同じことで、必要な情報を追いかけない、追い払わない、自然体で、そのままで、というのに通じるものがあるという。人はあることにとらわれると、それにかかり切りになってしまう。が、そのとらわれを除いてやれば無の境地になれるそうだ。何かを追いかけていることにとらわれていることは割と自覚しやすいが、何かを振り払おうとしていることは自覚しにくいという。禅をやっていて「何も考えではだめだ。ああ、こんなことが頭に浮かんできた。だめだだめだ」これは「「振り払おうとしている」とらわれだという。そして、電車の騒音や人混みなどの刺激を自分に素通りさせて流していくことは、この「振り払うとらわれ」から逃れることだと言う。カウンセラーにそう指摘されて、また少し自信がついたような気がする。睡眠に関しても自分は「眠れない、眠れない、なんで眠れないのだろう」ととらわれていたような気がする。今は眠剤の量は多いものの、夜中に3回くらい目は覚めるけど、ちゃんと眠って昼間活動している。それでいいじゃないか。とらわれを捨てると、また状態も自然によくなってくるかもしれない。

病棟に戻り、今度は主治医と面接をする。外泊がうまくいったことや睡眠の状況を伝える。あと何回か外泊を繰り返して退院ですかね、という感じだった。よし、順調にいけばあと1ヶ月くらいで退院できるぞ。来週は3連休で月曜日が休みなので、3泊4日にして火曜日の朝に帰ってくる、という外泊訓練をやりたい、と言うと認めてくれた。よし、外泊時だけでなく病院にいるときもリラックスと「流動的思考」を心掛けて、心と体の癖にしてしまうぞ。そして、報告という訳ではないが彼女と結婚することを話し、彼女の母親が私の状態について直接聞きたいので面接をお願いしたい、という話をしたら承諾してくれた。

明日の14時から15時までの間に服薬指導があるので病棟にいてくださいと言われた。明日は亡くなったデイケアのメンバーのお通夜がある。外出は16時までなので、入院しているから行けないと思っていたが、外泊届けを出せば行ける。看護婦に相談し、外泊届けを書く。15時までの間、と言っても時間がおして服薬指導が長引いたら、お
通夜に間に合わないかもしれない。うちから病院まで遠いので、家にいったん帰って服を着替えてくるのに時間がかかるのだ。喪服なんか病院に持ってきているはずない。看護婦さんと相談し、服薬指導を延期できないか明日の朝に聞いてもらうことにした。

昨日の睡眠の状況
 23:30 就寝
 02:21 中途覚醒
 02:56 中途覚醒
 04:22 中途覚醒
 04:42 いったん起床
これ以降は一服してメールチェックしたりネットしたり、20分ほど起きていたが、もう一度寝ることにチャレンジし、浅い眠りを断続的に繰り返しながら7時半頃まで寝ていた。やはり昨日と同じでなんとなくぼんやりする。追加眠剤を飲まないと質の高い睡眠を確保することはまだ無理なのか。

朝食のコーンフレークを食べて、散歩に行こうとしたら、雨が降っている。そうか、今日は雨かぁ。合唱団Pの練習に行くのもおっくうになりそうだ。天気によっても気分は左右される。ま、病気でない人でもそんなことは当たり前にあるが。

日記を書いたり、引越しに向けて住所変更を知らせるべき先をピックアップしたり、新しく買わないといけないものをピックアップしたり。朝はそんなことをしていた。少しぼんやりしているが、昨日の疲れが残っているということはないようだ。

今日の練習は昼から。ネットで調べたらちょうど12時の電車に乗ればいいようだ。それまで部屋の片付けなどをする。そう、今日もリラックス、リラックスをこころがけて。そうそう、入院でばたばたしていて実は衣替えをまだしていなかった。冬物と夏物を入れ替え、洗濯が必要なものを洗濯する。洗濯機が回っている間、ネットで賃貸情報を検索するが、ネットで調べられるものは数が非常に少ない。やはり定石どおり地元の不動産屋を地道に足でまわった方がよいだろう。ま、退院してからだな。なんだかんだしているうちに頭がすっきりしてきた。

ちょっと動いて少し横になったら、ちょっとうとうとしてしまったようだ。まだ家を出るまでには時間がある。もうちょっとゆっくりしよう。いつの間にか雨はあがっているし、今週は練習に行けそうだ。

家を出るまでまだ時間があるので、ネットで調べものをする。結婚式は挙げないが、写真くらいは撮りたい、と彼女が言っていたのでその情報を調べてみる。要は衣装を借りてきてどこかのフォトスタジオで撮ってもらえばいいのだろう。それだけがセットになったサービスをやっているところはないかなあ、とまず調べてみたが、ちょっとなさそうだ。普通、写真を撮るんだったら、その衣装は結婚式で使うものだから別に借りてくるのが当たり前だから、やっぱそういうのはないのか。

フォトスタジオを調べてみたら、まあこれは近くて適当なところがあった。ヘアドレスがセットになったところもある。式の当日は忙しいから、写真は他の日に、という人も多いのだろう。衣装は借りてきたものを持ってきても、髪は何日も当日用そのままというわけにはいくまい。

そして今度は衣装について調べてみる。う〜ん、びっくりした。ウェディングドレスのレンタルが安くても20万円、男性のモーニングやタキシードでも15万円くらいする。ちょっと記念だけ、というには高すぎるなあ。どうしようか。まあ彼女と相談だな。将来私がちゃんと職場復帰できて安定したら、改めて式を挙げるという考えもあるのだが、写真もそのときにしようか。彼女の母親も「そんなにするんだったら撮らなくていいんじゃないの」と言いそうだ。

彼女が二人で暮らしたい、ということを母親に言ったとき、反対はしなかったが「今のところに二人で住めないの?」と言ったらしい。やはり私の状態が心配で、できるだけ貯金を崩すのはやめた方がいい、引越にお金をかけずにすますことはできないか、ということらしい。いくらなんでも今のワンルームマンションに二人で住むのは無理だ。今でも自分のものだけで溢れかえっていて、引越に向けてどんどんものを捨てていこうと思っているくらいだから。

時間が来たので家を出る。いったんあがっていた雨はまた少しぱらついている。今日の練習場所ははじめて行くが、いつもより少し遠い。渋谷で乗り換えないといけない。またできるだけリラックス、リラックスを心掛ける。全身の力を抜くというより、肩の力を抜いて。ときどき首をまわしたり肩を上げ下げしたりして、できるだけよけいな力が入らないように注意する。電車の中でもリラックス、リラックス。渋谷の人混みでもリラックス、リラックス。

やはり効果はあったようで、あまり疲れずに練習場所についた。練習中もリラックス、リラックス。これは大きな効果があった。私は歌を歌っていると、つい力が入りすぎる癖がある。それを、昨日からずっとリラックスを意識しているので、練習中もあまり力が入りすぎずにリラックスして歌えた。変な歌い方をした後は喉が痛くなることがあるが、今日は練習が終わっても大丈夫。これはいろんな面で効果を出しそうだ。これからも極力意識しよう。リラックス、リラックス。

それにしても本番指揮者のK先生には感服する。指揮者が変わるだけでこんなにも合唱団が変わることか。休団する前に合唱団Pにいたときも思ったが、やはりK先生はすごい。自然と音楽が自分たちから引き出されるような気がする。どういう音楽を作りたいか、非常に明確に感じられる。合唱団Pのメンバーも、先生とのつきあいが長いということもあるだろうが、反応がいい。これはぜひとも本番に乗らなくてはもったいない。今日はブラームスを全曲やったのだが、これがまたいい曲なのである。歌っていて泣けてくる。

私の日記を読んでくれているのかどうかわからないが、私の事情を察して幹事長が「今回のステージの負担は免除にするよ」と言ってくれた。他のみんなには申し訳ないが、これは非常にありがたい。でも自分のノルマ分のチケットももらってしまっているし、友人に宣伝もしているし、チケットが売れた分のお金は団に入れることにしよう。合宿も、ちゃんと通常練習と先生の練習に出ていれば、行かなくてもなんとかなりそうだ。金を節約しつつ、なんとか自分のやりたいことはできる範囲でなんとかする。これからの生活でもいろんな面で課題となりそうだ。そのときそのときで、いろいろな選択肢を考えてベストなものを選んでいくことにしよう。

練習は予定よりも早く30分早く終わった。帰るときもリラックス、リラックス。渋谷の駅は昼よりもさらに混雑していたが、やはりリラックス、リラックス。あまり疲れずに家に帰ってきた。彼女は買い物に行っていて、私が帰ってからしばらくして家に来た。夕飯の支度をしてもらい、二人で食べる。いつもなら彼女は22時までうちにいるが、今日は風邪気味だということで20時に帰っていった。彼女が帰った後、ヨガの体操をやって自律訓練法をやる。日ごろから当たり前のようにやる習慣をつけるのじゃ。

やはり家は落ち着く。その家にいながら、なぜ入院前はあれだけ調子が悪かったのだろう。家にいながらリラックスしていなかったのか。なぜなんだろう。今回の外泊訓練で、やっと光が見えてきた。しかし、まだまだ油断はできない。また調子が悪くなったら、悪循環に陥ったら、今はわかっているつもりのことでも、そのときになればすっかり頭から抜け落ちているかもしれない。それを防ぐための対策も考えて、そして実行できるように身につけておかなくては。とりあえず、今回の外泊訓練はまだ終わってないが、明日の朝にちゃんと病院に戻って、そして疲れが残っていなくてデイケアにきちんと参加できたら、まあ成功だったと言えるだろう。