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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

カテゴリー:団地生活

昨日の日記で、「病気なのに病気に見えない」「まだ若いのに仕事もせずに昼間からぶらぶらと、と思われる」ということを気にしている、と書いたのだが、どうしてそれを気にするのか、その背景を書いておこう。 

最近では、同じマンションにやアパートに住んでいても、隣の人や、さらにその隣の人がどんな人で、何をしているかよく知らない、ということが多いかと思う。必要以上に周りの住人に干渉することもなく、逆に干渉されることもない。

しかし、この団地ではコミュニティが密であり、干渉されまくりである。否応なしに自治会組織に組み込まれ、回覧板が回ってきたり、自治会費の集金当番が順番に回ってきたり、自治会の常任委員が順番に回ってきたり(今年はうちとお隣さん)する。夏祭りには露店もやった。ご近所との付き合いが深いので、だからこそ「どう見られてるか」がいろいろと気になる。

 

入居したての頃に、ちょっと驚いたことがある。うちの棟の掲示板に「4月の清掃は29日(日)7:30からです」と貼ってあったので、詳細は何も聞いてなかったが、とりあえず汚れてもいい格好をして7時半に団地の前に出てみた。

何人か先に出ている人がいて、そのうち人が集まってきたのだが、「○○さん、出てきてないわね」とみんなが話していた。そりゃそうだろう。自分も子どもの頃は自治会で公園の草むしりとかやったが、みんながみんな出てくるわけでもない。そう思っていたら、

「まだ寝てるのかな?」
「起こしましょうよ」

という会話があって、1階に住んでいるその人のドアをドンドンドンと叩き、

「○○さ~ん、朝ですよ~、お掃除ですよ~」

と起こしに行ったのだ。

「この団地では、他の住人に起こされるのか」

と正直びっくりした。

 

後からわかったのだが、原則として清掃は各世帯から1人は参加しないといけないが、やむなく欠席した場合は「清掃欠席代」として後から1,000円徴収される。毎月このペナルティを払ってでも出ない人もいるのだ。先ほどの起こされた人は、毎月ちゃんと出ているのに来ないので、起こしに行ったらしい。

また、この団地は低所得者向けの県営住宅で、当然ながら所得制限がある。みんな生活に余裕がない人ばかりで、社会的弱者の集まりと言ってもいいだろう。弱者の集まりだからこそ、みんなで助けあうわけだが、その代わりに同じ弱者に対しても厳しい。夜勤の人で、どうしても毎月の清掃には出られない人がいる。そういう人は事情が事情なので免除、というわけではなく、どんな事情があれ、清掃欠席代は容赦なく徴収する。そういう世界である。

こういうご近所との関係は、優しくもあり厳しくもある。そんな環境で生活するのは子どもの頃以来で、昭和にタイムスリップした気分だ。

今朝、妻がゴミ出しに行ったときにお隣の旦那さんと階段ですれ違ったらしい。そのときに、

「奥さんは仕事してるの?」

と聞かれたので、

「今はしてないんです」

と答えたら、今度は、

「じゃあ旦那さんは今は働いてるんだ」

と言われ、嘘をついてもしかたがないので、

「いえ、2人とも具合が悪いので・・・」

と答えると、

「そりゃあ大変だね」

と言われたらしい。

引っ越し当初は、「お仕事は何を?」「えっと、今はちょっと働いてなくて」と言うことは話している。その時は当然ながらお隣さんは何の事情も知らない。

去年、自分がODをして救急車で運ばれた時、真っ昼間だったのでちらほら見物人がいて、うちの近所の人も何人か自分が運ばれていくのを目撃している。お隣の奥さんも見ていたそうだ。その人達には「喘息の大きな発作が出て、病院へ運ばれたら肺炎を併発をしていた」と説明してある。なので自分のことは「重度の喘息の人」と認識されている。

先月の夏祭りの時に、妻がお隣の奥さんから「旦那さん、喘息はどう?」と聞かれたので、あまり嘘を重ねてもしかたがなく、「実はうつ病で・・・」という話はしたらしい。どうせそのうちわかってしまうことだ。

妻の方はメンタルな病気のことは明かしていないが、下痢型IBS(過敏性腸症候群)のことは話している。しかし、働いていない理由はもちろんそれではない。本当の理由は、今の段階では公言できない。しかし、事情がわからないと「なんで働いてないんだろう」と訝しげに思うだろう。

2人とも外に出ている時は、比較的調子がいいときである。どこも悪そうに見えない。だから他人から見たら「あんなに元気そうなのに」と思われるのはしかたがないし、自分自身「鬱には見えない」と友だちに言われたことがある。そりゃそうだろう。本当にしんどいときは引きこもっているから。

ここに自分たちのジレンマがある。なんせ障害者手帳まで持っているのに「病気に見えない」のだ。なので、周りから見たら、「まだ若いのに仕事もせずに昼間からぶらぶらと」と思われてもしかたがない。いかにも病気に見えたほうがいいのだろうか。外にいるときにはわざとしんどそうに振る舞うとか。それはそれで本末転倒であり、ある意味仮病である。

「鬱」という病気が本当に理解されるのは難しい。うつ病だからといっても毎日一日中寝ているわけではない。調子がいいときは健康な人と同じように外に出かけられるし、仕事だってできる。しかし、その状態には波がある。明日調子がいいか悪いか、その日にならないとわからない。コンスタントに出勤したり、決まった日の決まった時間に仕事に行くことを確約できる状態ではない。コンビニのバイトさえ無理な話だ。

コミュニティの密なこの団地において、少しずつ自分たちの事情をわかっていってもらう必要はあると思っているが、なかなか難しい。もっと時間が必要だろう。

今回は、去年の8月5日にアップした「夏祭りと自治会と定めのカレー」のアンサー記事である。

と、「アンサーソング」っぽく書いてみたが、いまいちだった(´・ω・`)

去年、「来年はうちらがカレーの出店をやる、ということまで今から決まっているとは」と書いたのだが、

夏祭り

夏祭り

やりました、カレー。

自分たちだけでなく、他の棟の人も合わせて4人でやりました。

いや~、

楽しかった。

大学の学園祭で出店をやった時以来である。あのときはおでん屋をやったが、楽しかった。

と、またまたノスタルジックなモードに入っていきそうになる。

食べ物や飲み物は食券を買うのだが、

夏祭り

 

長蛇の列。

夏祭り

 

そして夜も更けてから盆踊り。

夏祭り

 

去年は半ば無理やり放り込まれたが、今年は店番をしながら、

 

「踊りて~」

 

と思った。見てて楽しそうなのだ。昔からの、突然意味不明な踊りを踊りだす癖は今でも変わっていない。

来年は踊ろう。

明日の土曜日は、この団地の自治会の夏祭り。常任委員にとって、1年を通して最も大変な行事だという。先日妻が打ち合わせに行ってきて、いろいろ段取りを聞いてきた。祭り自体は明日だが、今日はいろいろ準備があり、翌日には当然後片付けがある。

今日は、女性陣は出店の準備と仕込み、男性陣は櫓の組み立て、ということになっている。妻は当然行かないといけないが、私は行かなかった。櫓の組み立て自体は常任委員の役目ではなく、定年退職して暇を持て余しているような「お祭り男」たちによって毎年行われているらしい、というのが理由の1つであるが、もう1つ理由がある。それは、

「まだ若いのに、平日の昼間からぶらぶらしてると思われたくない」

からである。

 

まだ自分たちの「事情」は誰にも話してはいない。だから、「あそこのご主人、いつも昼間にぶらぶらしているわね。働いているのかしら?」と思われたくないのだ。まあ、実際働いてないわけだが。それで、実際に調子が悪いという理由もあるが、昼間はあまり人目につかないように息を殺して生きている。

しかし、いくらかくれんぼしていても、だんだんわかっていくことだし、いずれは自分たちの事情も話して理解してもらう必要がある。しかし、まだその時期ではない。そのためには周辺住民に自分たちを信頼してもらわないといけないし、それは少なくともこの1年間、きちんと常任委員の責務を果たした後、と考えている

とりあえずの関門としては、この夏祭りの役割をきっちりこなすこと。メインは妻の仕事だが、自分も店番などを手伝って、後片付けにも参加できればしようと思っている。

常任委員でなければ、適当に参加して何か食べて盆踊りでも踊ってればいい祭りであるが、運営側はけっこう大変。どんなイベントも同じ話ではあるが、とにかくこの夏祭りを乗り切ったら、あとは楽になる。

とは言え、自治会の行事はまだまだある。敬老の集い、日帰りバス旅行、クリスマス会、餅つき大会などなど。否が応にも巻き込まれてしまう、昭和を感じさせるコミュニティの姿がここにあった。

先日、自治会の常任委員会で配布された資料。

各棟に殺虫剤を配布するので、常任委員は団地周りの排水口や木などに散布してください、というもの。

その資料の注意書きの2つめに、こんなことが書いてあった。

 

ひどいことになる

 (クリックすると拡大)

「ひどいことになります」

ひどいことってなんだろう。泥棒にでも入られるのか、テロリストの襲撃にでもあうのか。