学生時代のサークルの現役生からメールが来た。OB係なのだが、現役生が管理している名簿のうちの代の分を送るので、もし誰か引っ越したりして変更があったら教えてくれ、というものである。私がうちの代の代表をやっているので毎年来る。
そして毎年気になっているのが、その名簿ファイルの送信方法。
つきましては、まず代表者様が担当されている代の名簿をこちらから送付させて頂くことになるのですが、
その際に名簿のExcelデータをパソコンメールに添付して送信するという形式をとらせて頂いてもよろしいでしょうか。
個人情報をメール上でやり取りすることになりますので、ExcelデータはZIPファイルに圧縮した後、パスワードをかけて送信致します。
「パスワードをかけて送信致します」のあとに、パスワードの送信方法が書いてあるはずなのだが、書いていない。が、毎年のやり方だとその後に普通にメールでパスワードを書いて送ってくる。
このやり方は官民問わずけっこう使われているが、最近ではPPAPと呼ばれていて、かえってセキュリティが下がるので使わない方向になっている。明確に禁止している会社もある。
セキュリティが下がる理由は、
- ZIPファイルを添付したメールとパスワードのメールを別々に送ったところで、同じ通信経路で送れば、盗聴されると結局どっちも閲覧可能なので意味無し。パスワードファイルを別に送るのなら通信経路も変えなければいけない。
- パスワードをかけてしまうとウイルス対策ソフトがウイルスチェックできなくなる。
というものである。その他にもあるのだが、代表的なのは上の2つ。
誰も指摘しないのかなあ。指摘してあげた方がいいのかなあ、と毎年思っている。大学生で情報セキュリティの知識なんかまるでなく、先輩から引き継いだとおりのやり方でやっているのでしかたがないのだが、もう10年以上これでやっていると思う。
とは言え、じゃあどの方法で送ってもらったらいいのかな。クラウドを使うとか、ハードルが高いか。有料のサービスを使うわけにはいかないだろうし。案外難しいな。セキュアな通信経路を通ってもらえばいいのだが。
ちなみにPPAPとはピコ太郎ではないが、ピコ太郎のPPAPをもじったもので、
Password付きzipファイルを送ります
Passwordを送ります
Aん号化(暗号化)
Protocol(プロトコル)
の略。脆弱な手法を揶揄したものである。IT業界では◯◯pとついた言葉は何らかのプロトコルを表したものが多いので、こんな風に名付けられた。