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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2019年6月17日

今日は6時50分起床。6時半に起きる予定だったが少し遅くなった。でもなんとか起きれた。今日は横浜市防火防災協会というところがやっている「救命講習」というものを受けるので早く起きる必要があったのだ。9時までに横浜防災センターに行かなくてはならない。5月に防災訓練で行ったところである。朝は作業所に行くよりも早い。しかもその近くへ行くバスは1時間に1本。寝坊したらアウト、というかタクシーである。

救命講習にはいくつか種類があって「普通救命Ⅰ」「普通救命Ⅲ」「上級救命」などがある。私が受けたのは「上級救命講習」である。それぞれの違いは、

普通救命講習Ⅰ(成人に対する心肺蘇生とAEDの使用方法を主体とした3時間の講習)
普通救命講習Ⅲ(小児、乳幼児、新生児に対する心肺蘇生とAEDの使用方法を主体とした3時間の講習)
上級救命講習(普通救命講習に加えて、傷病者の管理法、副子固定、熱傷の手当、搬送法を習得する8時間の講習)

ということで、普通救命講習がそれぞれ3時間で受講料が1,000円、上級救命講習は普通救命のⅠとⅢの内容プラスαで8時間で1,500円なので、上級を受けることにした。普通を受けたあとに受けないといけないというわけではない。講習を受けようと思ったきっかけは、実はよく覚えていない。昔々山登りをやっていた頃に、救命のトレーニングをしておいた方がいいと山岳会の仲間に言われ、こういう講習会をやっているからと案内されて普通救命Ⅰは受けたことがある。今回は、確か「AEDって使い方わからないな」と何かのきっかけで思って、この講習会のことを思い出して調べてみて受ける気になった。昔受けた時にはAEDというものはまだ存在していなかったのだ。

受講者はちゃんと数えたわけではないが40人から50人くらい、女性が2割くらいで30代から50代くらいが中心だった。最初にまずテキストを見ながら基礎知識のレクチャー。その後に実技トレーニング。

救急救命テキスト

まず最初に、仰向けに寝ている要救護者を横向きにする手順。これは嘔吐したときに喉に吐瀉物を詰まらせないようにするため。一時的にその場を離れる時はこれをやった方がいい。これはテキストに載ってなくて、実技の場で直接教えられて練習したが、手順が頭に入らない。意外に難しい。一番無駄のない方法なのだが、まあ最終的な形さえ覚えていたらどうやってもいいと。それはそうだろうが、意識のない人間を動かすのはけっこう大変なようだ。

その次は人形を相手に救急救命の実技トレーニング。倒れてる人を見つけたら、周囲の安全を確認し、両肩を叩いて「大丈夫ですか!」と声を掛ける。3回かけても応答がなかったらおなかが動いているかを10秒以内に確認。1,2,3とカウントしながら、6くらいで「動いてない」と判断したら「普段どおりの呼吸なし」と声に出して、周りの人に助けを求め、119番の依頼とAEDを持ってきてもらうようにお願いする。具体的に「あなた、119番通報をお願いします」「あなた、AEDを持ってきてください」と言わないといけない。「誰か」ではダメ。そして直ちに救急救命処置に入る。

これがかなり大変である。救急隊員が到着して交代するか、要救護者が嫌がる(意識を取り戻す)までひたすら胸骨圧迫(心臓マッサージ)30回と人工呼吸2回を繰り返す。かなりきつい。5分くらいやっただけでばてばてである。そしてAEDが来たらAEDをやってまたすぐに胸骨圧迫&人工呼吸。これは交代してくれる人がいなければ、10分でも15分でもやり続けなければならない。

AEDの使い方もYouTubeの動画を見てひととおり知っていたが、やはり実際にやってみるとぜんぜん違う。見るのと体で覚えるのとではかなり差があるだろう。一応AEDは使い方を知らなくてもガイダンスにしたがえば誰でもできるようになっている。とは言え「右胸のパッドは鎖骨の下、左わき腹のパッドは脇の下から指4本分下」などとそこまでその場で教えてくれはしない。アクセサリーとかあったら外す。体が濡れてたら拭く、湿布などを貼っていたらはがして拭く、心臓ペースメーカーが埋め込まれていたらその部分は避ける。あらかじめ教わってないと気がつかないところだろう。ところでAEDは機種によって微妙に操作手順が違うらしい。統一してくれたらいいのに。

今まで勘違いしていたが(私の他にも勘違いしている人が多いかもしれない)、AED と言うのは「止まってる心臓を動かす機械」ではない。心室細動を検知して除細動を行う機械である。心室細動というのは心臓がけいれんした状態で、この状態では心臓は正常に動作しない。それを電気ショックで止めてやるのがAEDで、けいれんを止めたからといって心臓がまた動き出すわけではないので、通電したらただちに心臓マッサージを再開する。AEDは2分おきに自動的にまだ心室細動が起きてるか検査し、細動が起きてても止まってても、とにかく心臓マッサージはやり続けなければならない。

AED

人工呼吸がこれまたけっこう大変。確実に顎を持ち上げて、鼻をぎゅっとつまんで、自分の腕にかみつくぐらいに口を大きく開けて相手の口を隙間なく覆う。そうしないと息が外に漏れてきちんと肺に入らない。うまく息が入ればちゃんと人形の胸が膨らむようにできてるので、ちゃんと胸を見ながら息を入れる。最初はうまくいかなかったが、やっているうちにこつがつかめてきた。やっぱり実技トレーニングをやらないとうまくできないものだな。ちなみに顎を持ち上げるのは気道を確保するためで、ピーナッツを放り投げて口でキャッチするのは開いた気道にピーナッツを放り込むようなものだから絶対にやめてくださいと言われた。

練習用の人形。本当はこれの胸をはだけてやるが、実技中は写真なんて撮ってる暇はないので、昼休み中に撮影。

練習用人形

倒れているのが女性(特に若い人)の場合、前をはだけるのに抵抗があることが少なくない。そういうときは他の人が上着をかけてあげるとかしてなんとかやってください、とにかく命がかかっているから、とのこと。全部はだける必要はないから、そういう手伝い方もあるのだ。この前Twitterで読んだが、周りの人が壁を作って目隠しになってあげるという手伝い方もある。

それから子どもの人形と乳児の人形を相手に心臓マッサージ&人工呼吸。子どもの場合、そして乳児の場合はそれぞれ大人とやり方が違う。

赤ちゃんの人形

救急救命の後は応急処置(ファーストエイド)の講習。三角巾で包帯を作ったり、頭の止血をしたり、腕を固定したりした。要救護者を道具なしで搬送する方法や、毛布で担架を作って運ぶ方法などを教わって実技トレーニング。大学生の時に泥酔して嘔吐して意識を失った友達を、毛布を使って6人くらいで他の友達の部屋に運び込んだことがあったが、あれはほぼ正しい方法だったようだ。あの方法を指示したのは医療技術短期大学の後輩だったな。さすが看護師の卵だ。あと、身の回りのものを使って簡易担架を作る方法なんかもやった。これは昔山岳会でやった。棒やストックを使い、自分たちが来てる上着を脱いで担架にするのだ。

最後はテキストにしたがって1時間くらい講義。けっこう盛りだくさんな内容だった。救命処置を行ったのに助けられなかった場合の救護者のメンタルケアにまで話は及んでいた。「助けようとしたのに死んじゃった」それで鬱に陥ってしまったりすることもあるらしい。切ない問題だなあ。

講習会の最後にはこういうものをくれた。ゴールドカードである。

救急救命講習受講者証

3年毎に受けてくれと書いてあるが、1年おきくらいにやらないと忘れてしまいそうだなあ(いやそれより前に忘れると思う)。

体力が最後までもつかが一番心配だったのだが、大丈夫だった。だいぶ調子があがってきたのかな。明日は作業所だが、疲れが遅れて出なければいいのだが。これを書いている今も自覚していない疲れが溜まっているかもしれない。今日は早く寝よう。

今日の動画。救命関連ということで、ドラマ「救命病棟24時」の主題歌、DREAMS COME TRUE「朝がまた来る」。