昨日は大阪から兄夫婦が来てくれた。兄はもともとその日に仕事か何かの関係で東京に来る予定だったのだが、奥様も私たちのことを心配して、久しぶりに会いたいということで、兄と一緒に来てくれた。
夜、久しぶりの中華街で食事をし、積もる話もあったので、長々とあれやこれや話をしているうちに、すっかり夜遅くになってしまった。久しぶりに夜中(と言っても21時くらいだが)に外を出歩いたが、えらく寒かった。兄が「やっぱり東京の方が寒いねんなあ」と思ったらしいが、昨日は特別寒かった。
私が自殺未遂をした、まさにその時の話をしたが、改めて考えるととても恐ろしい。頭が真っ白になり、
「死んだら誰かに迷惑がかかる」
「死んだら誰かが悲しむ」
「そもそも自殺なんてしてはいけない」
という当たり前のことが完全に頭の中から消えていた。しかし、今となってもっとも怖いのが、
「全く怖くなかった」
ということである。自分は自殺なんてしないと思っていたし、もし死にたくなっても、どうせ怖くてそんなことはできないだろう、と思っていた。しかし、あの日の、あの時の、あの瞬間は、全く怖くなかったのだ。
今、たとえばそのときの1/10の量の薬を前に出されて「救急車が外で待機しているから、飲んでみなよ」と言われたとしても、
「いやいやいや無理無理無理無理怖い怖い怖い怖い」
である。
「うつ病で自殺」というのが、「病気を苦にして自殺」ではなく、「死にたくなること自体が病気の症状」ということは、基礎知識として当たり前のように知っていたが、発病してから13年が経過して、まさか自分がそんな状態になるとは思ってもいなかった。
本当に恐ろしい病気である。