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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年9月13日

昨日はぐっすり、とはいかなかった。20:30には就寝して、2:00頃には目を覚まし、その後何回も目を覚まして、3:00過ぎからは、眠いのに眠れず、結局4:00前にはホールに出てきた。出てきたときは少しぼんやりしてるかな、と思ったが、すぐに頭がすっきりしてきた。

今日は珍しく分裂病のSさんがいる。Sさんは「分裂病」と診断されていながら、ものすごく自分のことを客観的に分析し、理路整然とものを話す。ぜんぜん分裂病には見えず、他の人からもそう言われるという。彼が通っていた開業医からも、「あなたはとても理路整然にものを話す」と言いつつ、診断では「分裂病」だったそうだ。彼は自分が本当に分裂病かどうか悩んでいるが、でも病名なんてどうだっていい、とにかく治ればいいんだ、そう言ってる。本当はどこからどこまでが何の病気か、なんて明確な境界線はない。でも医者は診断書を書くのに、何らかの病名を書かないといけない。理路整然と話はできるとは言え、「幻聴」「妄想」という分裂病特有の症状を示す限り、医者は「分裂病」と書かざるを得ないのだろうか。彼は20年くらい前から症状が出始め、いろいろ薬を試したそうだが、効果はなく、却って副作用の方が大きいので、今では眠剤だけ飲んでるそうだ。

外で雷が光ったと思ったら、雨が降ってきた。やだなあ、今日は外出なのに。ネットの天気予報サイトでチェックすると、今日いっぱいは降水確率10%となっているのだが。昨日の23:00時点の発表だから、6:00になればまたチェックしよう。

朝から外出の準備。今日は8:00には出るので、早めに準備をしよう。パジャマから普段着に着替えて、半袖のパジャマをデイパックに突っ込む。CFカードやP-in Comp@ctも巾着袋につめる。今使っているハンドヘルドPC「シグマリオン」の後継機種「シグマリオン2」がどうしてもほしくなったので、今日買ってくるつもりだ。シグマリオン2、売ってるかな~?すでに在庫切れの可能性が高いなあ。

どうしてもシグマリオン2がほしくなった理由は、今の私はこのマシンを「サブ」ではなく、普通のPC代わりに「メイン」として使っているため、かなりヘビーな使い方をしているからだ。今ではファイルシステムに割り当てたメモリの容量を気にしつつ使いながら、その一方で「メモリが足りません。アプリケーションを終了してください」というように実行時にもメモリ不足が発生する。それに、ときどき「あら、フリーズした?」と思うほど動作が遅いこともあり、本当にフリーズすることもある。

朝食前に体重を測定する。また最低記録更新だ。少しずつ痩せていきつつある。いい痩せ方だと思うので安心だ。腹も以前に比べるとかなりひっこんだ。4年くらい前だろうか。うつ病の前兆とも思える胃痛が始まったときの頃の話。胃腸科の病院に行って、仰向きに横になって触診を受けた後に、医者に「いつもおなかはこんな感じですか?」と聞くので、何かやっぱり悪いところがあったのか、と思いつつ「はい、こんな感じです」と答えると、「腹が…」なに、腹がどうしたんだ。なんだなんだ。「出てますね」なめとんのか、おい。

8:00になるのを待って外出。バスに乗る前から、なんだかしんどくなってきた。大丈夫かいな。バスに乗ってヒーリングのCDをかけ、目を閉じる。皮膚科の診察は9:00からだが、受付は8:30から。8:32に皮膚科に着いたら、すでに先客が4人ほどいた。話に聞くと、地元の人が診察券だけ出してそのままいったん家へ帰り、また来る、ということをしているそうなので、実際にはもっとたくさん先客がいるかもしれない。どうせ薬を出してもらうだけなので、「薬だけでお願いします」と言うと、「2回目なので薬だけ、というのはできません。診察でお願いします」と言われた。1回目も全く診察なんかしてないで、私の言いなりで医者は薬を出したんだけどなあ。ま、そんなことを受付の人に言ってもしかたない。ゆっくり音楽を聴きながら待つことにしよう。あせらずあせらず。

と思ったら10分くらいで呼ばれた。まだ9時前なのに診察を開始しているようだ。良心的な病院だな。医者は2人いて、前回は女性の医者だった。「前回の女性の先生は、まだ来てないのですが、院長先生でもいいですか?」看護婦が聞くが、そんなのどっちでもいいから「はい、いいですよ」と答える。

あらためて医師にいろいろ説明し、薬さえあれば自分はコントロールできる旨を告げる。「普段かゆくなって掻くときも、爪を立てずに指の腹でこすった方がまだましですよ。そういう癖をつけておくと、寝てる間に無意識に掻いてしまうときも、爪を立てずに指でこするようになりますよ」それはいいことを聞いた。やはりいろんな医者にかかると、少しずついいことを教えられる。少しずつ悪いことも教えられている可能性もあるが。

皮膚科を後にし、電車に乗る。うわ、すごい混雑だ。通勤ラッシュか?いやラッシュの時間帯は過ぎている。よく見ると「すごい混雑」というほどでもなく、まあ座席が全部埋まっていて立っている人がたくさんいるだけで、電車としては普通の状態だ。これを「すごい混雑」と一瞬思いこんでしまうほど、やはり自分は人混みにストレスを感じてしまっている。座れないので、吊革につかまり、ヒーリングのCDをかけ、じっと目を閉じたり窓の外を流れていく景色を眺めたりした。景色といっても、街並みが過ぎていくだけで、おもしろくもなんともない。

電車から降りてからがすごかった。電車に乗っているときよりもすさまじい騒音。思わずCDの音量を最大にする。いつも病院内では、普通に聞くときは音量レベル8、寝るときなどにはレベル3で聞いているのだが、ここではレベルを最大の25にしても、それが周りの騒音にかき消される。耳からもこんなに感覚刺激を受けていたのか。すさまじいストレスだ。

何はともあれまずシグマリオン2だ。DoCoMoショップが開くのを待ち、まずそこで携帯を解約し、シグマリオン2の販売価格を聞く。オープン価格なので、とりあえずここDoCoMoショップでの価格が定価と思っていいだろう。54,800円だった。次に、PCショップへ行くと、店頭の携帯電話のコーナーにいきなり「シグマリオン2」とでかでかと書いてある。一言目に「シグマリオン2在庫ありますか?」と聞くと「ありますよ」おお、あったあった。こっちで買った方が安いに違いない、と思いきや、ここでも54,800円だった。発売されて1週間もたってない。まだ値下げしてないのだ。どうせ他の店へ行っても同じだろう。まあ、DoCoMoショップと同じ値段だが、ここで買うと店のポイントがたまる。即決で買った。

ところで、さっき「携帯を解約し」と書いたが、これは別に自分がずっと使っている携帯を解約したわけではない。入院して間もない頃、P-in Comp@ctの接続がたびたび切れるのに業を煮やして、「PHSだと電波が弱くて携帯じゃないとだめだ」と思ったのだが、携帯は取り上げられてしまっていたので使えない。そこで外出したときに、型落ちした一番安い携帯を通信用に買って契約しておいたのだ。そこまでやるか?と思うが、毎日日記をアップすることにしていた私は、通信ができないと非常に困る。それで、入院期間中だけの契約のつもりで買っておいた。

だが今では「PHSでも確実に電波が入るポジション」を発見したので、無用の長物だ。基本料金だけかかるのもばかばかしいので、さっさと解約してしまえ、というわけで解約したのだが、解約後DoCoMoショップのお姉さまは「では、これはお返しします」と言って携帯を返してくれた。どうやら、「機種変更」でなく「解約」では本体は引き取られるわけではないらしい。契約後一定期間内だけの話かもしれない。電話番号は抜かれているので、これは使いものにならない…、と思いきや、意図せずして以前の日記に書いた「ダミーの携帯」が手に入ったことに気づく。これを何食わぬ顔して看護婦に返せば、自分の携帯は手元に残る。それは、外出時にいったん返してもらって今ポケットにあるのだから。充電は、今ではコンビニで携帯用の使い捨て充電器が売っている。しめしめ、だ。

話がそれたが、今はともかくシグマリオン2だ。はやる気持ちを抑えて家路を急ぐ。家に帰ってさっそくセットアップを開始。と言ってもWinCEのセットアップなんて1分くらいで終わる。後はデータの移行。まず旧機とPCを赤外線接続して、ActiveSyncの機能を使ってPocket OutlookのデータをPCに落とし込む。そして、今度は新機とPCを赤外線接続して、同様にしてPCから新機にOutlookのデータを落とし込む。次は旧機のデータファイルをCFカードにバックアップし、新機に差し替えて落とし込む。その他、通信やその他の設定などは、両機を並べて見比べながら行っていく。なんて、なんて楽しい作業なんだ。こんな作業が「ものすごく楽しい」私は、やはり「コンピュータ依存症」の入り口にいるのであろうか。

その合間に、テプラで自分の名前シールを増刷したり、Mちゃんの名前のシールを作ったり(彼女に頼まれた)、改めてこのシグマリオン2に貼る「充電許可取得済み」というシールを作って貼る。マーフィーの法則をかばんに入れる。そうそう、生保の約款も、再度確認したいのでかばんに入れる。そして次は長袖のパジャマ…、あれ、パジャマパジャマ、パジャマでお・じゃ・ま。何を言ってるんだ。長袖のパジャマが見あたらない。しまった冬物だから奥にしまっているか。取り出すのは面倒だが、せっかく半袖のパジャマを持って帰って来たのでなんとか取り出そう、という気は起こらず、どうせもうよれよれだったから、帰りに買って帰ろう。

一通りの作業を終え、再び病院へ戻る。なぜか心が軽い。往路で通った人混みが、復路ではストレスに感じない。騒音もあまり気にならない。家に帰る途中はちょっと疲れたが、それによって少し「慣れ」てきたのか。そして家で「自分の好きなこと」をがんがんやっているうちに、精神的な安定さが増してきたのか。そう言えば、先日読んだばかりの「こころの処方箋」にも、「自分の好きなことをしているときには、エネルギーがいい方向に流れ、案外疲れないものだ」と書いてあった。そういう現象であろうか。ともかく、行くときのどんよりした気持ちはどこへ行ってしまったんだろう。

おっと、危ない危ない。思わず電車を乗り過ごすところだった。電車の中でこの日記を夢中になって書いているうちに、降りる駅に着いたことに、ドアが開く寸前くらいに気がついた。今度は駅ビルでお買い物。

買い物をしていると、まただんだん疲れてきた。いったん調子はよくなったものの、持続はしないようだ。買い物を終えてバスに乗る。だいぶ疲れが出てきたのがわかる。バス停につき、病棟に入り、病室へ帰った瞬間、どっと疲れが吹き出してきた。ああ、やはりまだまだだな。以前はましにはなったかもしれないが、まだまだだ。とにかく今日はゆっくり休もう。

と思ったら、YさんとRさんがでかい声で話している。同じ部屋でHさんが寝ているというのに。これじゃゆっくり休むこともできない。Yさんは、以前私とSさんが喋ってると「うるさい!」と怒鳴ったくせに。私が買ってきたものなどをのろのろと片づけている間もそのお喋りは続いていた。「Hさんが寝ているので、もう少し静かな声で話した方がいいんじゃないですか」私がそっと言うと、Yさんは「あ、すみません」と言って、本当に静かな声で話し出した。注意したらホールに行って会話してくれるかと思ったのだが、寝ている人がいても平気で話し続けるようだ。そもそも私に謝られてもしかたがない。あきらめてホールに行ってたばこを吸う。

16:00の服薬の時間になったので、コップを取りに病室へ戻ると、あきれたことに、今度はHさんが寝ているだけなく、Kさんが勉強しているというのに、2人のおしゃべりは続いていた。何を考えているのか、この2人は。何も考えていないのだろうか。

CDを聴きながらゆっくり休もうか、そう思ったとき、せっかく作ったテプラのシールと、CFカード&P-in Comp@ctを入れた袋を出すのを忘れていたのに気がついた。で、デイパックをあさるが、どうしても見つからない。しまった、家に忘れてきたか?およよ、P-in Comp@ctがなければ通信もできないし、CFカードがなければ、まだインストールしていないアプリケーションを入れられない。う~ん、困った。明日の外出届は出してないし、そもそも昨日の今日は疲れるので、あさってにでも何かの名目をつけて取りに帰ろう。そうだ、通信するなら、こういうときこそ隠し持てることになった携帯が役に立つではないか。は、は、は。P-in Comp@ctに比べて目立つので、見つからないようにしなければ。他の患者にも、だ。特にMちゃんには要注意だ。

あ、だめだ。携帯を使って通信しようと試みたが、こいつと携帯をつなぐケーブルも同じ袋に入れてあったので、やっぱり忘れてる。だみだこりゃ。しかし、携帯があれば、i-modeのリモートメール機能でメールチェックだけはできる。ふっふっふ、いろんな通信手段を持っているというのは便利なことだ。

疲れた頭で生保の約款を読み返す。1回の入院での保険金支払い限度は120日。つまり、4ヶ月を超えると保険金が支払われない。あせっちゃいかんが、お金の問題もそれはそれで心配だ。なんとか入院期間が4ヶ月以内で済めばいいが。その後、再入院した場合は、退院した日より180日経過していないと保険金は支払われないとも書いてある。復帰してから調子が悪くなっても、半年逃げ切ればいいのか、とふと思ったが、退院した後の逃げ道をはじめから考えているようなマイナス思考を自分がしていることに気がつき、これじゃいかんと思う。

Kさんに貸すつもりでもってきた「マーフィーの法則」、貸そうと思ったらKさんが見あたらない。読んだのはまだ学生時代だったか、内容を忘れているので、貸す前に自分で読み返そうと、ぼんやりした頭で読み出す。今読んでもなかなか愉快だ。何でも「こういう法則なんだ」で納得できたら頭の中で丸く収まるかもしれない。

20:00になって、寝ぼけた頭で眠剤を飲み、パジャマ代わりのスウェットに着替える。あ、あついぞ。スウェットはまだ暑かったか。上はTシャツで寝ようかな。今日は神経が疲れたが、それがどう睡眠に影響するか、きちんと観察しよう。