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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

日別アーカイブ:2001年10月4日

誰か耳元でささやいたような気がして目が覚めた。時計を見ると5:00過ぎ。そうだ、今日は採血・採尿だ。6:00起床なのに、指定時間は5:00。なんでなんだ。看護婦が耳元でささやいていったのだろう。眠い目をこすりながら起きていって採血を済ます。今日の担当はI看護士。あまりうまくなく、1回では済まずに左右の腕に2回刺されてしまった。その後タバコを一服吸ってから、6:00までもう1回寝ようとした。

私がもう一度寝ようとして部屋に行く途中で、Mちゃんに「Kさんからの返事来ている?」と聞かれた。「あ、まだメールチェックしてない」そう答える。部屋に戻ってメールチェックすると、返事は来ているが読まずにそのままハンドヘルドPCの蓋を閉じて寝に入る。

ベッドに横になっていたら、洗面所で大声がする。T看護婦がMちゃんに「ドライヤーはダメ!」と注意して、取り上げるのなんの言っている。起床時間前だと言うのに、病室に響きわたるようなそんな大きな声を洗面所で出すなよなぁ。思わず起きていって、看護婦に注意する。やれやれ。こいつも投書してやれ。

夜中は割とよく寝ていたような気がするが、一度ものすごく咳き込んだ記憶がある。なぜだろう。寒くなったからか?そう言えば最近朝起きると鼻の調子が悪い。鼻炎なのだろうが、これも気温が下がったからだろう。

結局眠いのに眠れず、あと十数分で起床時間なので、あきらめてメールを読んだりこの日記を書いたりしている。やれやれ。6:00になって起床を知らせる放送が入ったので、しかたなく起きていって洗面をすませ、コーヒーをいれて一服する。それでも眠い。ラジオ体操をやってもまだ眠い。やれやれ。

朝食後、「あくせくするな、ゆっくり生きよう」を読み進める。第三章「心を『今』に向ける」を読み終える。とにかくこの本では心を「今」に向けること、つまり過ぎ去った過去のことをくよくよ考えたり、まだ起こってもいない未来のことについてあれこれ悩んだりすることをやめることについて書いてある。まあ、それはいろんな本に書いてあることだが。

続いて第四章「ストレスと心の健康の関係」に入る。途中まで読んだが、「ストレスとは自分の考え方が作り出したもの」と説明されており、ストレスを感じなくするための具体的な方法が解説してある。なかなか実践的な本だ。その基本にあるのは、すべて「流動的思考」のようだ。この本はけっこう気に入った。「流動的思考」、ぜひ意識して採り入れよう。

8:00過ぎから散歩に出る。いつものように音楽堂でオカリナを吹く。いつものようにコンサートの曲を一通り吹いた後、ポルタメントの練習をちょっとやった。それから「竹田の子守歌」の即興の部分から元に戻る部分のフレーズを決めて、その練習もやった。その後は、久々に思う存分即興で好きなように吹いた。そのときそのとき心に浮かんだメロディーを奏でたり、たまたま指を置いた音からイマジネーションを派生させていくのはとても楽しい。かなり長い間即興で吹いた後、小山の周りを一周して帰ってきた。

今日の体育館レクはいつになく盛り上がりを見せた。今週から来ている新しい看護実習生も含めて2チームに分かれて、そのチームでドッジボール、バレーボールはいつものことだが、その間に運動会の練習として「バドミントン競争」と「玉ころがし」の練習をした。なんてことない競技だが、いざ勝負!となるとけっこう燃える。4種目とも2セットずつやって、どれも接戦で、すべて1-1の引き分けに終わった。体育館レクがこんなに盛り上がっておもしろく感じたのははじめてだ。終わった後のシャワーが気持ちよかった。

昼食時、見慣れない顔が増えているのに気づいた。新しい患者がいっぺんに入ったようだ。どうやら男性1人、女性2人らしい。女性のうち1人は明らかにアルコール依存症の症状を呈していて、顔が黒ずんでいる。アルコール依存症の特徴だ。もう1人の女性は喫煙所に来てタバコを吸いながら挨拶して「私、少し変なところがあるけど、誤解されやすいのです」と話す。みんな「みんな変だから大丈夫だよ。ここは精神科だし、そういう人ばっかりだから気にしないでいいですよ」などと声をかける。私は「そのうちよくなっていきますよ」と声をかけた。

11:30頃から情報セキュリティアドミニストレータの参考書を読み進める。昼食後、13:00から再開し、途中で目や神経を休めながら読み進め、14:00前に一服して休憩。売店に行って飲料を買ってきた。ホールでは運動会に向けてフォークダンスの練習をしているが、午前中は体育館レクで勉強があまりできなかったので、私は勉強することにする。

16:00まで予定通り勉強を進めた。「セキュリティポリシの運用管理」の章をもう少しで読み終わるところだった。内容は「セキュリティポリシの運用管理」と「セキュリティ監査」に大きく分かれていて、「セキュリティ監査」は運用管理の中の一部だが、かなり詳しくクローズアップして解説していた。

16:00からリラックス体操。いつも通りのスケジュールだ。30分ほどかけて行い、その後はこの日記を今書いている。やりながら部屋の人と話をする。Wさんは何と54歳であることが判明した。どう見ても40代にしか見えない。そういう私は30代なのに、20代に見えると言われた。20代のときはどう見ても30代に見えると言われたものだが、ここ数年顔は変わってない、というより若返っているらしい。

いつも厳しいA看護婦にYさんがまた何かきつい言われ方をしたらしい。Wさんはそれを聞いて「人権啓発委員会に訴えてやる」と言っている。本当にここの看護婦はきつい人が何人かいて、みんなそれに対する不満が爆発している。私も主治医にそのことを言ったことがあるが、他にも医者に言った人は何人もいるようだ。それなのに改善されないのは、婦長から注意を受けても治らないのか、あるいは「あえてそういう方針」で「そういう役割を演じている」看護婦がいるのか。本当に「単なる自分の気分で患者を叱りとばしている」のなら、人権啓発委員会に訴えてもいいかもしれない。

「あくせくするな、ゆっくり生きよう」を読み進める。「ストレスと心の健康の関係」の章を読み終える。ストレスは自分の「思考」が作り出したもの。「ストレスを感じてる」と言うのは、そういう思考に陥っているというサインで、それに気づき、流動的思考に切り替え、するりと逃がしてやると「なんでもないじゃないか」と感じられるようになるらしい。ほんとかな?今度外出したときにやってみよっと。

連絡会でWさんが上に書いた件について訴えた。「心の病を治療しに来ている患者にきつい言い方をするベテラン看護婦がいる」という抽象的な言い方だったが、その前に「看護実習生が患者について男子トイレに入るときに、『入ってもよろしいですか』と尋ねました。患者の人権を尊重している、とても立派なことだと思います」という話を先に持ってきた。この辺の話術はさすが教師だ。

連絡会の後は喫煙所でWさんと教育談義になった。なかなかおもしろい会話だった。今の日本の教育制度の欠点は、教師自身も自覚していてなんとかしないと、と思っているらしい。教師全員がそうかどうかはわからないが、そう思っている教師がいるということは頼もしい。問題は、それよりも上のお偉方だろう。

「あくせくするな、ゆっくり生きよう」を再び開く。次の章は「良い人間関係はつくれる」だ。途中まで読んだところだが、なかなかいいことが書いてある。例の「流動的思考」を活用することによって、他人との関係がよくなるというのである。自分の気持ちを変えるのみならず、相手にも影響を与えることができるという。まだ読んでいる途中だが、いちいち「なるほど」と納得させられる。一番納得したフレーズは「他人が不機嫌なとき、自分を非難しているのだと勘違いしないこと」ということだ。たまたま相手がイライラしていて、それできつい口調や攻撃的な言葉を発したとしても、それを自分が背負うことはないのだ。「ああ、この人は今調子がわるいんだな」そう思うことでその人に対する思いやりが生まれ、思いやりを持って接してあげればその人にも影響を与えることができるという。なるほど、目から鱗だ。

20:00になったので、一時中断。みんなは服薬だが、私は21:00なので、便通の回数だけ書いて戻ってきた。今日は早めに就寝準備をしてから、この本を読み続けよう。