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鬱るんです
躁鬱病のITエンジニア「はまー」が心と体の模様を記した雑記帳。 大手IT企業で心身ともにぼろぼろになり退職した後、ほそぼそと働いたり事業を立ち上げようとして頓挫したり、作業所に通ったり障害者雇用で働いたりと紆余曲折したが、今は無職な毎日。

目が覚めると7:00だった。結局昨日は22:30くらいに寝たのだが、寝るときは喘息で苦しかった。が、寝付くのには時間はかからなかったようだ。夜中一回目を覚まして、今度は病院にいる錯覚をしたような気がして、ああ家に戻ってるんだ、そう思い出した記憶がある。

割と頭はすっきりしているな、と思ってメールチェックしたり昨日買ってきた菓子パンを食べたりしているうちに、また少し頭にもやがかかりだしてきている。「また寝たい」が出て来ている。やばい、このまま寝るとまた鬱だ。踏ん張らねば。でも、あえて「もう一度寝てみる」とどうなるか試してみたくもある。単なる寝不足なのか、鬱なのか。

9:30になった。電気代節約のため、不要なコンセントは元から抜き、冷蔵庫も切った。そろそろ病院に戻る準備をしよう。今日は昼までに戻るつもりだ。

なんとか家を出て電車を乗り継ぎ、今は車中の人だ。やはり頭はぼ~っとしている。あまり調子はよくない。どうも外泊はまだうまくいかない。病院にいれば今の時間にはもう頭がしゃっきりしているのに。散歩してみたりいろいろ試してみればよかったかな。でも、起きた後の「鬱に入りそうな感覚」は病院では襲ってこない。外泊したときに襲ってくる。なぜなんだ。

病院の最寄り駅に着き、バスの発車時刻までかなり時間があるので、駅ビルのスーパーをうろうろする。洗剤と500mlのペットボトルを5本買った。安いのを買いだめしておくと少しでも得だろう。洗剤も今までは旅行用の1回分が1パックになったものを使っていたが、多分コストパフォーマンスが悪いだろう。普通のサイズのやつを買った。床頭台には入らないかもしれないので、ベッドの下にでも置こう。

その後100円ショップに入ってうろうろする。床頭台の上と引き出しはプラスチックの箱を使って整理できたので、今度はその下の物置場を整理したいと思って、手頃な大きさの箱を買った。

バス停でバスを待っているとKさんに会った。会った瞬間、「疲れてるでしょ」と言われた。そんなに疲れた顔をしていたのか。Kさんは明日娘さんの誕生日だそうなので、プレゼントを買って宅急便で送るために外出しているところだそうだ。

病棟に戻ってくる。ナース室のところで主治医とすれ違ったので、思わず一言「疲れました」と言った。いやいや本当に疲れた。病院に戻ってくるだけで朝よりもかなり疲れが増しているような気がする。

昼食後、Tさんに「お帰りなさい」と言われたので「ただいま。疲れました~。外泊するとまだ疲れるんです。なんか家に戻ると『調子の悪かった頃の自分を取り戻した』みたいになるんです」と言うと「そういう人多いらしいね。調子の悪い頃の生活リズムに戻ってしまうとか。少しでもいいから部屋の模様替えをしたりして、気分を変えたらいいよ」と言ってくれた。そうなのか、自分だけではないんだ。思えば「外泊」という言葉も変なもんだ。自分の家に戻るのに「外泊」なのだから。しかし、その言葉はいま非常にしっくりくる。今の自分にとって生活のベースは「病院」にあり、そこにいれば安定する。そこから離れた場所、たとえそれが「本来自分が住んでいる場所」であっても、そういう場所にいくことは「外出」であり、そこに泊まるということは「外泊」になる。今の自分は、家から病院に行くときは、病院に「戻ってくる」あるいは「帰ってくる」という感覚に近くなっている。病院に着くとほっとする。

昼食後、改めて昨日もらった演奏会のCDを聴く。う~ん、他のグループはうまいなあ。聴いているうちに風呂の順番が回ってきたので入る。風呂に入ると少しすっきりした。

看護婦から声がかかった。「心理の先生と面談の約束になってるはずだと電話がありましたけど」あ、しまった。15:00からカウンセリングだったんだ。時計を見ると15:15。すっかり忘れていった。あわてて出ていって、結局20分遅れでカウンセリングを始めた。貴重な時間を無駄にしてしまった。今日は自分のことを聞かれた。「自分が覚えている一番昔のことを話してください」と言われたので、う~んと考えたあげく、小さい頃、3歳くらいだろうか、三輪車に乗っていてスピードを出していて、石につまづいて前のめりに転倒し、石が額にのめり込んだときのことを話した。その瞬間を覚えていること。その後は、家に帰ったら母親がものすごくあわてていたこと、手術台か何かに乗せられてまぶしい光を浴びていたことを覚えている、そういうことを話した。

幼少時代からさかのぼり、幼稚園時代、小学校低学年時代、高学年時代、中学時代、高校時代まで話したところで16:00になってしまった。続きはまた来週、高校時代の途中からやるそうだ。こうやって話してみると、自分が変化してきたことが客観的にわかる。昔は目立ちたがりで人の上や前に出るのが好きで、外向的だったのだが、高校時代には内向的になって特に女の子とはしゃべれなくなったり、人前に出なくなったりした。それはいったいなぜなのか。それはこれから明らかになるのだろうか、ならないのだろうか。

カウンセリングから戻ると服薬。そのまま喫煙所で昼間に駅で会ったKさんと話をしているうちに夕食の時間になった。カウンセリングの話や読んだ本の話をした。ダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」は勧めておいた。「家に戻ると調子が悪いときの状態に戻る」という点に関してはTさん同様「すごくよくわかる」と言った。どうやらそういう人が多いようだ。

夜、しばらくは日経オープンシステム8月号を読んでいたが、特集記事を読み終わった後で、卓球をやっているS君とKさんに乱入。神経が疲れているけど体は大丈夫だ。バランスを取るために体も動かした方がいいだろう。少し汗をかいたが、気持ちよかった。

20:00で卓球はおしまい。今は就寝準備をしながらこれを書いているところだ。さあ、歯を磨いてまた日経オープンシステムの続きでも読むか。


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