今日はまた別の会社と面談に行った。
面談の前に軽く派遣会社の営業と打ち合わせしたのだが、営業はとても楽観的だ。私が
「組み込み系とかやったことないし、英語も読むのは大丈夫ですが、書く方はちょっと自信がないのですが…」
と言うと、
「いや、書くことはありませんよ。読めればOKです。外国人の社員もいますが、日本語を話せますし。組み込み系と言ってもハードウェアそのものを扱うわけでないらしいので、C言語でプログラムが組めれば大丈夫だと思います」
本当かなあ。
その答えは面談で明らかになった。
いつものとおり、自分の今までやってきた業務内容や、身につけてきたスキルなどを話す。今日の担当者はそのところどころでいろんなことを尋ねてきたので、それだけでけっこうな時間がかかった。
そして今度は先方が業務内容の説明。
「通信系の組込み機器のシミュレーターを開発する仕事です。そのアルゴリズムを考えて実装し、テストパターンを作成してテストを行います」
はあ、なるほどシミュレーターね。それでハードウェアに関する深い知識はいらないのか。と思いきや、
「通信に関する知識はお持ちですか?」
ああ、やっぱりだよ。ネットワークの知識と通信の知識とはぜんぜん別物なんだよ。
「ネットワークならわかりますが、通信の内部的な制御などについては、学生時代に習いましたが、今までの業務では関係がなかったので、あまり覚えていません。それに技術も進歩しているので、覚えていても追いつきの勉強が必要です」
「追いつきが必要なのは承知してますが、たとえば○○の国際規格を読んで、それをアルゴリズムに落とせますか?数学の知識などが必要となりますが」
「数学の知識、というとどれくらいのレベルでしょうか」
「まあ大学の数学レベルですよ。FFTとか」
「ああ、フーリエ変換ですね。(覚えてね〜よ、そんなの…)ちょっとすぐには思い出せないので、そこからの勉強が必要かもしれません」
ちょっと担当者の顔色、雲行きが怪しい。
「それからうちは外資系で、日本と本国とわかれてやっている、というだけで同じプロジェクトを進めています。なのでメールはすべて英語でやり取りします。レポートも英語で書いていただきます。メールだけで埒が明かないときは、本国に電話して英語で直接対応していただきますが、その辺は大丈夫ですか?」
(大丈夫じゃねえよ…。ぜんっぜん話が違うじゃねーか)
「読むのは大丈夫ですが、書く方は、レポートなどがある程度フォーマットが決まっているのならなんとかなるかもしれません。ただメールで全部やり取り、というのはちょっと難しいです。それから英会話も日常会話の初歩レベル程度です。まあ、スキルアップと思ってチャレンジはしてみたいですが」
今話題のNOVAに通ってたときも、レベルは7A止まりだったのだ。
まあ、そんな感じで今日の面談は終わった。ある意味、自分的には「終わった」と思ったのだが帰り際にまだ営業は楽観的だ。
「チャレンジ精神をアピールしておられたので、大丈夫かもしれませんよ」
おいおい、無理だろいくら何でも。向こうの求めているものとこっちが持っているものが違いすぎる。たとえ向こうからOKの返事が来ても断るつもりだ。こんなにたくさん勉強しないといけないのでは大変だよ。しかしまあ、営業の顔もあるだろうから、一応向こうから返事が来てから、万一採用だったら断りの電話を入れることにしよう。
それにしても、この案件はどう考えても無理があったよなあ。大学レベルの数学の知識や通信に関する基礎知識、それにプログラミング及びデバッグ等のスキル、そして英語のスキルが必要だ。時給が破格なのもうなずける。