先月の心理ワークショップでの話。
自分なりに何か呼吸法とか体操とかやってないか尋ねられたので、以前は合唱団にいて、社会人になってから個人的にボイストレーニングにも通っていた話をした。実際に何かやってみせて、と言われたので、学生時代の合唱団で練習の頭にやっていた、体をほぐす体操をやってみたり、「背中に息を入れて保つ」と表現していた「支え」の説明をしたり、実際に声を出してみたりした。けっこうみんな食いついてきた。
何か一曲歌って、と言われたのだが、すぐに歌える歌が思いつかず、「千の風になって」を歌ってみた。自分はとても人前で歌えるレベルではないのだが、それでも感心してくれて、「声を出すとか、歌うっていいよね」という話になり、「次回はみんなで歌おうよ、何か曲を持ってきて」と言われた。
何がいいかなあ、と考えていたのだが、みんなが知っていて、歌詞だけ見れば歌える歌でないといけないので、無難な所で日本古謡の「さくら」にした。この曲なら歌いやすいし、ロングブレスを意識しやすい。
家で、
「さ~く~ら~、さ~く~ら~、や~よ~い~の~そ~らぁは~」
と歌っていると、妻が「なんだか歌詞が違うよ」と言う。へ?そんなことはない。「さくら」だぞ、武満徹の「混声合唱のための『うた』」にも入ってるんだぞ。ステージで歌ったこともあるんだぞ、とか言ったが、「でもなんか違う」と言われたので調べてみた。
なんと、「さくら」には2つの歌詞があったのだ。
以下、Wikipediaから、そのまま引用する。
歌詞は二通りあり、元のものは以下。
さくら さくら
やよいの空は
見わたす限り
かすみか雲か
匂いぞ出ずる
いざや いざや
見にゆかん
もう1つは昭和16年に改められたもので、現在音楽の教科書等にはこちらの歌詞を掲載しているところもある。 こちらを1番、前述の元の歌詞を2番と扱っているものもある。(1941年(昭和16年)3月「うたのほん 下」)
さくら さくら
野山も里も
見わたす限り
かすみか雲か
朝日ににおう
さくら さくら
花ざかり
ぜんぜん知らなかった。私は前者の歌詞しか知らず、妻は後者の歌詞しか知らなかったのだ。しかも、後者のほうが新しくて、音楽の教科書にも載っているというではないか。
古くから歌い継がれてきて歌には、それなりの歴史があるということか。