映画「ヒア・アフター」をレンタルして観た。
「向こう側の世界」とつながり、死者の言葉を伝えることができる能力、さしずめ日本で言うところの「イタコ」といったところか、その持ち主の男性と、臨死体験をしたジャーナリストの女性、それから双子の兄を亡くした男の子、その3人の物語が、それぞれアメリカ、フランス、イギリスを舞台に同時進行していき、最後につながる。これ以上はネタバレなので書かないことにしよう。最初のシーンを除けば、淡々と静かな、しかしじわじわと来るタイプの映画だった。
この映画、2011年2月19日から日本では上映されていたが、3月14日に急遽打ち切られた。それは、一番最初に大きな津波のシーンで始まるからだ。「最初のシーンを除けば」と上に書いたが、津波のシーンはまさに3.11を彷彿とさせる。いや彷彿とかいう次元ではない、テレビで何度も何度も繰り返し見た、あらゆる物が車が家が、何から何まで巨大な津波に飲み込まれて跡形もなくなってしまう、とても現実とは思えないあの光景、それそっくりだった。
津波は香港で起こったという設定で、日本とも近い。監督のクリント・イーストウッドは、何かを予知していたのだろうか。