村上龍「69」読了。私が生まれた1969年のことである。学生運動の影響で東大が入試を中止したその年に、九州の高校を舞台にエロくてアカい高校生が青春する物語。下心から政治活動ごっこに走るお調子者の主人公がおもしろい。この頃は高校生もそういう思想に偏っていたのかな。私が大学生の頃は全国的にはそういう運動は下火になっていたが、うちの大学に限ってはそういう輩や団体はまだまだ健在だった。
なんかこういう青春小説を読むと、自分の若い頃を思い出すのだ。若いっていいなあ。なにかイベント企画したい。運営側にまわるのはけっこう好きなのだ。学年一のマドンナを彼女にしたというのは、こういう小説では自分的にはちょいと反則だろうと思う。主人公は多少ずっこけてほしいのだ。手に入れようと思うけど結局ふられるとかね。
・・・なんて思って読んでいたのだが、最後まで読んでから「あとがき」を読んでびっくり。「全部実話。登場人物も全て実在の人物」だったとは。そうかあ村上龍の青春時代はこんなんだったんだなあ、楽しそうで羨ましい限りである。まじで高校でバリケード封鎖なんてやったんだ(それも私が生まれた日に)。私もまだまだこれから一花咲かせるのだ。